杉並区立消費者センターは、区民の消費生活に関する相談や苦情への対応のほか、消費者教育の推進、消費生活情報の収集と提供、商品テストの受け入れなどを行っている。
「区民からの消費生活に関する相談は、年間3,000~4,000件ほどあります」と職員は話す。相談内容は、契約上のトラブルや商品の安全性・品質に関わる問題など多岐にわたる。「最近特に多いのは出会い系サイトのトラブルなど、いわゆるデジタルコンテンツに関連した相談です。高齢の方が迷惑メールをきっかけに架空請求に巻き込まれる事例もあります。不動産賃借や化粧品関連も増えています」とのこと。こうした相談に対し、職員は親身になって話を聞き、対処法をわかりやすくアドバイスしている。
ウェルファーム杉並複合施設棟の3階にあり、荻窪駅から徒歩約10分、バスでは「ウェルファーム杉並」(関東バス)で下車すればすぐ目の前だ。
消費者トラブルを未然に防ぐために、消費生活に関する教育活動や情報提供も行っている。その一つが、専門家を招いた消費者講座だ。ほぼ毎月、家電製品の省エネ・節電や水トラブルの基礎知識など、生活に密着したテーマで実施しており、好評を得ている。講座情報は「広報すぎなみ」や区公式ホームページで確認できる。
また、若者に向けた啓発活動にも取り組んでいる。「2022(令和4)年4月から成年年齢が18歳に引き下げられました。新たにできることが増える一方、変わらずに20歳までできないこともあります。その内容を詳しく“広報すぎなみ”や区の公式ホームページでお知らせしています」。契約トラブルについての注意喚起のリーフレットを、区の選挙管理委員会が18歳になる区民に郵送する選挙の案内に同封しているという。「区の他の部署や団体などといろいろ連携しながら、消費生活に必要な知識を周知していきます」
消費者センターには誰でも無料で利用可能な情報資料コーナーがあり、消費生活の関連図書約1,700冊とパンフレット類が壁一面に並んでいる。『契約のしくみとルール』や『はじめての相続』といった実務的な本から、掃除・洗濯のコツに関する本まで、消費生活に役立ついろいろな本がそろう。区民への貸し出しも可能で、コンパクトかつ専門的な図書館のようだ(借りるには身分証明書等が必要)。消費者センターが2カ月に1度発行する情報誌「くらしの窓すぎなみ」のバックナンバーも見ることができる。落ち着いて資料を読むことができるよう、テーブルと椅子はゆったりとした配置になっている。