杉並区社会福祉協議会(以下、杉並社協)は、1952(昭和27)年に都内初となる社会福祉協議会として設立。地域に住む人々がより良い生活ができるように、民間の立場から関係機関と協力してサポートしている。その取り組みは、地域福祉活動の支援、高齢者・障害者の援助、子育てのサポート、お金に関する相談など多岐にわたる。
杉並社協経営管理課長の疋田恵子(ひきた けいこ)さんは「私たちは“ふくしの窓口”。誰にも頼れない時だけでなく、周りにお手伝いを求める人がいたら、気軽に相談してほしい」と住民に寄り添う姿勢をアピールする。
荻窪駅から徒歩約10分のウェルファーム杉並複合施設棟にあり、窓口が明るく照らされ職員にも話しかけやすい環境だ。
杉並社協の活動の一つに「きずなサロン」支援事業がある。これは地域の人々の交流を目的とした居場所づくりを支援するものだ。乳幼児を持つ保護者が子育ての情報交換をしたり、高齢者がお茶や催しを楽しんだりするなど、2022(令和4)年8月現在、47カ所で「きずなサロン」が開設されている。疋田さんは「居場所づくりをしたくても立ち上げ方がわからない方や、資金面で困っている方などをお手伝いしています。団体の立ち上げに必要な5人の仲間が集まったら、ぜひ声をかけてください」と積極的な利用を呼びかける。
この事業を利用して荻窪で開設されている乳幼児向けきずなサロン「子育てきずなサロン ぐーちょきぱぁ」では、子育て中の親が子供と一緒にリラックスできるような場所を提供。自分のニーズに合った「きずなサロン」を見つけ、利用してみてはいかがだろうか。
「子ども食堂」の活動についても支援を実施。近年、「子ども食堂」は子供たちへの食事提供にとどまらず、地域の子供たちの身近な居場所として開設されている。2022(令和4)年3月時点で区内に36カ所あるが、杉並社協では「杉並子ども食堂ネットワーク」の事務局として、寄付された食品などの配布や相談窓口業務を担い、活性化に取り組んでいる。
また、区が設置する「くらしのサポートステーション~生活自立支援窓口~」の運営を受託。経済的に困っている人や、生活上でさまざまな不安や課題を抱えた人に向けて、住宅確保給付金の支給や、自立相談支援、家計改善支援を行っている。杉並社協は「第2のセーフティネット」としての役割も担っている。
▼関連情報
杉並こども食堂ネットワーク(外部リンク)
高齢者に対しては、食事の支度など家事全般を援助する「ささえあいサービス」を展開。このほか、区内にある「地域包括支援センター(ケア24)」のうち、南荻窪・梅里・永福の3カ所の運営に携わり、介護予防ケアマネジメントや高齢者に関する総合相談を行っている。また災害時における災害ボランティアセンターの開設・運営を担当し、避難所などでの福祉支援活動も行っている。
疋田さんは「コロナ禍で、これまでに関わる機会のなかった支援を求める方たちに、多くお会いできました。接点が持てたことでどのような問題を抱えているのかがわかってきたので、福祉事業に生かしていきたい」と語る。2022(令和4)年は杉並社協にとって創立70周年の節目。今後は取り組んでいる活動を今まで以上に発信し、地域福祉の向上に努めるという。