東京都立西高等学校(以下、西高)は、1937(昭和12)年創立の東京府立第十中学校(旧制中学校)を前身とする伝統校である。細かい校則や制服はない。生徒が自分で考え、行動を律している。東京都教育委員会から進学指導重点校(※1)と理数研究校(※2)に指定され、東京大学や京都大学をはじめ、難関国公立大学への高い合格実績を誇る。理数教育の充実も、西高の特色である。
「授業で勝負」が西高の合言葉。週5日の授業で、文系・理系にとらわれず、多くの教科・科目を学ぶことを大切にしている。また、夏期講習や日常的な添削指導、幅広い教養を身に付ける土曜特別講座などのほか、独自の海外研修プログラムも実施。萩原聡校長は、「教養が生徒の視野を広げてくれる。生徒たちには、国際社会で活躍できる調和の取れた大きな器の人間になってほしい」と語る。
部活動では、20の運動部、21の文化部、特別部(新聞部・放送部)が活動している。同好会やサークル活動も盛んだ。
アメリカンフットボール部は、高校でアメフトを始めた生徒たちも活躍している。1948(昭和23)年創部の古豪で、関東大会上位入賞を複数回経験し、都大会優勝の実績もある。名門京都大学アメリカンフットボール部に多くの卒業生を輩出してきた。
吹奏楽部や管弦楽部は、楽器の演奏経験がない生徒にも門戸を開きつつ、ハイレベルな演奏を披露している。卒業後も、都立西高OB吹奏楽団やNishi Graduate Orchestraとして活動を続ける人が少なくない。管弦楽部では、東京都交響楽団の特別授業「マエストロ・ビジット」に参加する機会もある。
サークル活動では、クイズ研究サークルが、2023(令和5)年の「東大王クイズ甲子園2023」(TBSテレビ)で決勝に駒を進め、全国に名をはせた。
▼関連情報
都立西高アメリカンフットボール部(外部リンク)
都立西高吹奏楽部(外部リンク)
Nishi Graduate Orchestra(外部リンク)
都立西高校管弦楽部 公式X(旧ツイッター)(外部リンク)
最大の学校行事は、例年9月に開催される伝統的な記念祭(文化祭)である。部活やサークル、クラス単位、記念祭のために結成した有志団体による、音楽、演劇、研究成果発表などを、生徒たちが主体的に企画・運営している。一般公開されているので、地域の人たちも多数来場して楽しんでいる行事だ。
一般財団法人西高会(※3)が主催する「西高の夕べ」は、学校所在地である杉並区を中心とした地域に発信する文化事業である。例年11月に、杉並公会堂、またはセシオン杉並で、西高卒業生による講演や都立西高OB吹奏楽団による演奏を行っている。
また、地域と連携した防災訓練も実施しており、災害時の地域の拠点としての役割も果たす。西高が避難所となった場合を想定し、自治体の防災担当課と連携して、仮設トイレやベッドの設置など避難所設営・運営についても学んでいる。
萩原聡校長からのメッセージ
西高には多様な生徒が集まり、さまざまな学習を通して、「将来の夢の実現」に向けて切磋琢磨(せっさたくま)しています。部活動や行事などは自分たちで創り上げるので、「3年間とても忙しかったけど、楽しかった」と卒業生から言われます。皆さんもぜひ西高で「西春(せいしゅん)」を謳歌(おうか)しませんか。
教育理念
「文武二道」「自主自律」(※4)
主な地域活動
・杉並区内を中心に西高卒業生による講演や演奏を一般公開する「西高の夕べ」
・地域と連携した防災訓練
イベント情報 ※詳細は公式HPを参照
・入試問題解説会、夏の学校見学会、学校説明会、授業公開:年間複数回開催
・記念祭(文化祭):例年9月に開催
生徒数(2023年度)
3学年合計:約950名
著名な卒業生
西水美恵子(元世界銀行副総裁)、小倉純二(元日本サッカー協会会長)、阿刀田高(小説家)、藤原正彦(数学者)、金田一秀穂(言語学者)、キタニタツヤ(シンガーソングライター)
※1 進学指導重点校:東京都教育委員会が指定する、進学対策に組織的、計画的に取り組む学校
※2 理数研究校:東京都教育委員会が、東京都の理数教育の充実を図るために指定する学校
※3 一般財団法人西高会:西高の同窓会とPTAを母体とした一般財団法人
※4 文武二道:文(学習・教養)と武(学校行事、部活動、課外活動等)の二つの道を究めること
※4 自主自律:自由に伴う責任を理解し、主体的に行動すること