2024(令和6)年、杉並区委員会の委員長を務めるのは高円寺エリアで不動産業を営む、後藤優美(ごとう ゆみ)さん。2020(令和2)年ごろ、コロナ禍で地元の名古屋にも帰省できず家にこもりがちだった時期に、偶然委員会の活動を手伝ったことをきっかけに入会したという。「当時、日本全体がコロナの影響で仕事の進め方に戸惑う中、同世代のメンバーが果敢にオンライン会議ツールの活用などにチャレンジしている姿を見て、感銘を受けました。地域貢献活動にも興味がありましたので、これは面白い、ぜひやってみたいなと感じました」と後藤さん。
杉並区委員会発足から50周年となる2024年は、「Happiness Smile 〜ワクワクしよう〜」をスローガンに掲げ、活動を通じてメンバーも地域の住民も笑顔になれることを目指している。
杉並区委員会では月に1回定例会を開催し、各メンバーからの活動報告や、今後の活動方針の議論などを行なっている。すぎなみ学倶楽部では、2024(令和6)年2月の定例会の様子を取材した。
定例会はJCIクリード(世界中の青年会議所で採択されている信条)の唱和から始まり、会議の前半では、各種議事についての報告・決議が、分単位のスケジュールに沿って行われた。
会議後半は、多文化共生についての討議。海外出身の住民と日本国籍の住民が共に暮らしやすい地域にするにはどうすれば良いかをメンバー間で議論し、さまざまな立場からの意見が出された。
会議はおよそ3時間で終了。最後に委員の渡邉蓮(わたなべ れん)さんからの「自分の持っている強み、経験を惜しみなく提供し合う、"Giver"(ギバー)の精神で活動しよう」とのコメントで幕を閉じた。
従来、青年会議所の入会資格を持つのは、「東京23区内及びその周辺の地域に居住または勤務し、申し込み時の年齢が満25歳以上38歳未満の方」に限定されていたが、2024(令和6)年3月に下限が満20歳へ引き下げられた。杉並区委員会にも、より若い世代の参加が期待される。「杉並区が好きで、地域のために何か活動してみたいと思う方にぜひ参加してほしいですね。杉並区委員会の活動は楽ではありませんが、普段の生活では得られないような人とのつながりができることが一生の財産です」と、後藤さんは杉並区委員会の魅力を語る。
杉並区委員会の活動は、事業を育て地域に根付かせることを目標としているが、その活動を通じて区や日本をリードする人材を育てることも期待されている。卒業生には、現在区議会議員として活躍するなど、行政や経済の分野で区を支える人材も多い。これからも未来のリーダーを輩出し続けるだろう。