文部科学省DXハイスクール採択校(※)に選ばれており、大学の研究室レベルの先端機器がそろっている。
先端機器を用いたユニークな課題解決の探究活動の例として、プラスチック油化装置を用いたエネルギー産出が挙げられる。使用済みペットボトルのキャップを収集し、油化装置で油化・蒸留して、粗製ガソリンを抽出する実験である。研究成果を校内で発表するのみならず、校外の環境イベントで、粗製ガソリンで発電して作ったポップコーンをふるまうなど、研究成果の発信にも工夫を凝らしている。
また、体験型の活動として、1年次に富士山麓での自然環境体験合宿を実施。2年次の修学旅行では、先端技術企業や研究所の訪問も計画されている。
中里真一校長は「杉並区や地域に関わることにも挑戦していきたい」と語る。杉並工科高が位置する井草地域は、地域活動が盛んだという。地域連携として、自治会や福祉団体と横のつながりを築き、地域づくりの組織「上井草 結いの会」にも参加。学校連携では、杉並区立三谷小学校の生徒に、杉並工科高の設備を使ったものづくり体験の機会を提供している。
また、杉並の学校らしい研究課題として、かつて杉並で育てられていた江戸東京野菜「高井戸半白節成キュウリ」の生育に取り組んだこともある。
中里真一校長からのメッセージ
本校は2024(令和6)年4月よりIT・環境科としてリスタートしました。これからの時代、ITスキルと環境リテラシーは欠かすことのできない知識・技能だと考えています。国語や数学、英語などと同じようにITスキルと環境リテラシーを学び、大学進学につなげていくのが本校の新しい命題になります。Society5.0社会をつくっていく人材を育成する学校として「探究」に力を入れ発想力と創造力を育てていきます。新しいことに恐れずチャレンジしイノベーションを起こせるような人材育成を目指していきます。
教育目標
・勤労と責任を重んじる誠実な人をつくる。
・個性を伸ばし、自主的にして協調性のある人をつくる。
・豊かな教養を備えた地球環境に配慮できる技術者をつくる。
主な地域活動
・上井草の地域づくりの組織「上井草 結いの会」に参加
・近隣の小学校の高学年向けに、ものづくり体験を実施
イベント情報 ※詳細は公式HPを参照
・学校説明会・体験入学:年間複数回開催(例年7~12月に開催)
・文化祭(研究成果発表会):例年9月に開催
著名な卒業生
井上慎介(映画監督)
生徒数(2024年度)
3学年合計:約200名
※高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール):情報、数学等の教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、ICTを活用した文理横断的な探究的な学びを強化する学校