七夕飾りをゆっくり見物するなら、太陽光が差し込む日中がおすすめ
阿佐谷七夕まつりは、例年8月7日ごろに阿佐谷パールセンター商店街で開かれるイベントだ。主催は阿佐谷商店街振興組合。2024(令和6)年で68回目の開催となる。
各テナントが軽食やゲームなどの模擬店を出店するほか、商店街一帯が大きな吹き流しやハリボテで鮮やかに飾り付けられ、食べ歩きを楽しむ人や、飾り付けを眺めながら練り歩く人などでにぎわう。期間中はJR阿佐ケ谷駅や杉並区役所などにも吹き流しが飾られ、阿佐谷の街全体が祭りの雰囲気に包まれる。
Q:イベント開催の発端は?
A:暑さが厳しく街の人出が少なくなる期間に、商店街を活気づけようと1954(昭和29)年に第1回の七夕まつりが開催されました。当時の企画担当者たちは全国の夏祭りを視察し、仙台の七夕まつりこそ阿佐谷の街にふさわしいと感じたようです。その後、青森のねぶた祭を思わせるハリボテなど、ほかの祭りの要素も取り入れながら、独自の祭りに変化していきました。
Q:名物のハリボテについて教えてください
A:ハリボテ作りは、商店街がアーケード化された1963(昭和38)年ごろから始まりました。作り手はテナントのオーナーのほか、地元中学校の生徒たちなど。近隣の小学校からの依頼でハリボテ作りの授業を行ったこともあります。
大きな物は全長4mほどになるので、制作場所には昔から苦労しています。自宅で作ったハリボテが大きすぎて外に持ち出せず、ハリボテではなく自宅の窓を壊して外に出した人もいたとか(笑)。最近は近くの杉並区立阿佐ヶ谷中学校などの場所を借りて制作しています。
また、10年ほど前から、ご家族やグループなど一般の方も参加できるように、材料をセットにしたプチハリボテキットを販売しています。2024(令和6)年は50個ほどのプチハリボテが展示されました。
Q:おすすめの楽しみ方は?
A:ハリボテを見て回るのはもちろん、各テナントが出店する模擬店の食べ歩きもおすすめです。食べ歩き用に工夫されていたり、お祭り期間だけの限定メニューがあったりと、それだけで十分楽しめますよ。
Q:今後について
A:これまで通り、手作りの良さを感じてもらえるお祭りであり続けたいですね。近年は阿佐谷パールセンター商店街にも全国チェーンのテナントが増え、ハリボテ作りや模擬店の出店に参加できない店舗も出てきました。そういった時代の流れを受け入れつつ、一般参加者のプチハリボテの展示などを通じて、テナントと一般のお客様が一緒に作り上げるお祭りにしていきたいと思います。