では…、我々はお花見のときにどうすればよいのでしょう?「騒がず、飲まず、近づかず」品行方正に遠巻きに鑑賞するのがソメイヨシノにとっては理想です…。しかし、それでは我々日本人はおさまりません。花見をしながら宴会をやる民族は世界に例がなく、そういう意味では、貴重な日本の「伝統文化の集大成(!?)」かもしれない花見の宴はなかなかやめられそうにありません。とは言え、人口の多すぎる都市部のソメイヨシノを現状のままにしておいてはみんな枯れてしまいます。ではどうすればよいのでしょうか?
具合が悪くなったら樹木医を派遣する方法もありますが、ここは一つ、花の咲いている時期だけでなく、花が終わり葉が茂り、毛虫が出たときも嫌わず、そして秋になり落ち葉を落とす時期も邪魔者扱いせず、ソメイヨシノに気を使う姿勢が必要です。
たとえれば、花を切花として消費する感覚ではなく庭に植えて共に生きる視点でしょうか?共生がとてもうまくいっている例として、青森県弘前市の弘前公園があります。ここでは住人が桜に気を使って世話をしてきた結果、樹齢百年を超えたソメイヨシノが今でも元気に花を咲かせています。