instagram

杉並区に初めてパン屋ができたのは?

実は、どの店が区内初かどうか定かではない。しかし、現存するパン屋の中で最も古くからあるのが、高円寺のヒロセ・丸十ベーカリーである。開業したのは1925(大正14)年。創業時の屋号は高円寺丸十パン。創業者は雨宮平三郎氏である。
当時販売していた主な商品はアンパンや食パン、コッペパンなど今でも馴染みのあるものだった。店舗の広さは20㎡~30㎡ほど。現在のようなセルフでパンを選ぶコーナーはなく、工場の窓口から直接販売する形態だった。
パンは明治の文明開化により、西洋食文化として日本にすでに存在はしていたが、貴重な食品だった。パンの元となる酵母を作るのに時間と手間がかかる上、職人の秘技だったため手に入りにくかったのだ。そんな中、当時アメリカに渡ってイーストの作り方を学んだ田辺玄平氏が、日本で国産イーストを広め、品質の安定したパンが計画的に作れるようになり、一般家庭にも普及した。雨宮氏も田辺氏からその製造方法を学び創業した。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 食>ベーカリー>ヒロセ・丸十ベーカリー

DATA

  • 取材:里村芙有子
  • 掲載日:2011年10月27日

一昔前のヒロセ・丸十ベーカリー

一昔前のヒロセ・丸十ベーカリー