中杉通りを南に3分ほど進み、路地を右に曲がるとラテアート(コーヒー・アート)で評判のフレスココーヒー ロースターズがある。
深い味わいのエスプレッソコーヒーに泡立てたミルクを注ぎ、絵を作るのがラテアート。オーナーの澤地広之さんが店を構えた2003年6月当時、ラテアートの認知度は低く、資料も海外から取り寄せて試行錯誤したという。もともと器用だった澤地さんはジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)に2005年から2007年まで連続出場し、2006年には全国11位という実績を持つバリスタ(客からの注文を受けてエスプレッソをはじめとするコーヒーを淹れる職業)となった。
描くものは、お客さんの会社のロゴやマーク、サッカーチームのマークなど見本があればリクエストにも応じてくれる。ちなみに『なみすけ』の注文も多いそうだ。絵の周りのココア・パウダーがこだわり。ラテアートでは、絵が最後まで残るかどうかで腕が試されるが、澤地さんの淹れたコーヒーは、最後のひと啜りまで絵を楽しむことができる。
澤地さんが一番大切にしているこだわりはコーヒー豆。生産者の分かる豆を海外から取り寄せ、一番おいしく飲めるよう自家焙煎している。澤地さんのように、コーヒー豆の鮮度や保管方法、賞味期限も教えてくれる店は少ない。販売する豆には、焙煎日も記入されている。勉強熱心で、何よりコーヒーを愛する澤地さんの店には、業者もコーヒー豆を買いに来るほどだ。けやき並木の散歩途中に立ち寄ってみてはいかが。