創業1980年、阿佐谷で愛され続ける名店がカフェぎおんである。木々に囲まれた外観は1度見たら忘れない。佇まいが凛としており、店内にはほどよい緊張感がある。
「今のような良い状態になるまで随分と時間が掛かった」と店主の関口さんは語る。開店当初は関口さん1人で16時間お店を切り盛りしたこともあった。
カフェぎおんと言えば、親切な店員が多い。そのことを尋ねると「うちは頭が良くて性格が良い子しかとらないから。例えば、電車に乗り一目散に席に座るような子はいらないんです。そうではない心のキレイな子は美人なんですよ」と答えてくれた。過去2000人を面接したことがある経験によって得た慧眼である。
良い店を作るためならお客さんにもマナーを求め、ダメなことははっきりと伝える。キツさがないと柔らかさは出ない。「お客さんも大事だし、店員も大事、そして自分も大事なんだ」と語る。
「お店のおすすめをください」と注文すると「飲み物か、食べ物か、温かいか、冷たいか、何もわからないから、何もおすすめができない」と返答される。こういった無責任な頼みごとをしてはいけない。「写真写りが良いものがいいです」と伝えるとブランデーグラスにナミナミと注がれたイチゴジュースをセレクトしてくれた。これがなかなか。次にアイスコーヒーもいただく。「良いモノをつかってる」という自慢の味は、口に入れた瞬間に光る!
「カフェぎおんについて話せと言われれば、何十日でも話せます」と関口さんは言う。それほど熱意が凝縮された喫茶店なのだ。