2013年11月に東中野から阿佐谷に移転して来たアニソンバー、44Sonic。店に入ると、床から天井までを埋め尽くすポスターとフィギュアの量に圧倒される。ジャンルは特撮とアニメ中心に、レトロゲーム・オンラインゲーム・ボードゲームと何でもあり。アニメソング・バーと謳っているが、店主も客もアニメソングだけを歌っているわけではない。懐メロや最新の邦楽を歌う人もいれば、カラオケ抜きで酒を飲みながら会話を楽しむ人達もいる。
44Sonicを一言で表すなら、「社会人のサークル活動」だと店主のキムラケイサク氏は語る。阿佐谷はアニメの製作会社が多いことから、いわゆる業界人も多く訪れるが、客層は一般企業に勤める会社員が大方を占める。普段はアニメとまったく関係のない仕事をしている人達が、同じ趣味を持つ仲間を見つける場所として機能しているという。昔のゲームセンターにあったインベーダーゲームの筐体の他、X-BOXやPS3などの最新機種もあるので、皆で夜通し同じゲームをして盛り上がることもあるそうだ。
キムラ氏は、映像作家でありアニメライターでもある。代表作『アニソンバカ一代』(K&Bパブリッシャーズ)は日本のアニメソングを網羅する一冊。『鉄腕アトム』『機動戦士ガンダム』から『エヴァンゲリオン』『けいおん!』まで、アニメ&特撮の主題歌や挿入歌を、1年365日にちなんだキャラクターや作曲家の誕生日、作品中の出来事などとともに解説している。
そんな自らもオタク的要素を強く持つキムラ氏だからこそ、基本的にシャイで人見知りな「オタク」達も心地よくくつろげる場所になっているのを感じた。一人でもふらりと店を訪れてほしいとのこと。
※文章中に出てくる各作品タイトルは作者や出版社が著作権を有しています。