秋田の実家がケーキ屋だったと言うオーナーシェフは、「ケーキ屋には絶対になりたくなかったし甘い物も苦手だった。」と話す。子供の頃に忙しい店の配達やクリスマスケーキ作りを手伝い、大変さを痛感していたからだ。それでも「3年だけでもいいから」と周囲から説得されて洋菓子の勉強をし始めたところ、洋菓子作りに目覚めたという。
修行時代に半年ほど阿佐谷に住んだ経験があり、店を持つなら阿佐谷か高円寺と思って探していた。2009(平成21)年に高円寺北の現在の場所にオープン。生菓子だけでなく焼き菓子の鮮度にもこだわり、他には真似できない洋菓子作りを追求し続けている。メディアで多数紹介されるなど押しも押されもせぬ人気店で、遠方より訪ねる客も多い。
おすすめ商品
「杏の樹」という意味の店名を冠したケーキ「ラブリコチエ」。ある日、客から「何で店の名前にちなんだ杏のケーキがないのか。」と問われて開発した。杏と相性のいいアーモンドのムースが使われている。「アーモンドのムースは、生のアーモンドを茹でて使っているので、味が濃く抽出され、奥行があります。」とシェフ。表面は杏のジュレでツヤツヤ。側面はマカロンとチョコレートでデコレーションされ、キラキラと宝石のようだ。