和菓子 榛名屋(はるなや)が荻窪駅北口の教会通り商店街に店を構えたのは、1977(昭和52)年。高円寺の赤城屋という和菓子屋で修業した先代が、条件などを吟味して店舗を探した結果、駅から5分の今の場所にオープンした。「大福が大の好物で和菓子屋になった。」と言う先代は群馬県の出身。榛名屋という名前は、群馬県の上毛三山(じょうもうさんざん)の1つ、榛名山から名付けた。現在は、先代の息子である田貝大孝(たがいひろたか)さんが店を切り盛りするが、先代も現役で和菓子職人として働く、家族経営の和菓子店だ。2015(平成27)年には、店の外から店内が見やすくなるようにと店舗をリニューアル。店内には、数名が腰かけられるイートインスペースがある。
おすすめ商品
何と言っても豆大福。外側を覆う餅は、もち米100%で他には何も加えていない。中の餡も小豆、砂糖、塩だけで炊かれている。「店によっては、餡(あん)に水あめや寒天などを加えるところもありますが、うちは一切入れません。」と田貝さん。また、「餡子は小豆を煮る際に何度も水にさらす作り方が一般的です。そうすることで、あっさりとした餡子になるのですが、うちではさらす回数を少なくしています。多少雑味は残るように感じますが、その分、コクと深みのある餡子に仕上がります。」と語る。常連客の中には「餡子は嫌いだったけど、榛名屋の餡子なら食べられる。」と話す客もいるという。「先代のモットーを継承し、身近に感じてもらえる和菓子作りを目指しています。そのため、できる限り安価で提供しています。」和菓子好きには、たまらない一言だ。豆大福以外にも、約3ヶ月ごとに期間限定で販売される季節商品や、人気の赤飯にも大いにそそられる。