2016(平成28)年4月に自宅一軒家の1階に店を構えた珈琲屋3158。そのユニークな店名は、住所の番地を4桁にしたものだ。南阿佐ケ谷駅から徒歩15分ほどのところにあり、店のすぐ前には、一年を通じて自然と触れ合うことができる善福寺川緑地が広がっている。
オーナーの佐々木さんは喫茶店での勤務の経験があり、ずっと胸に抱いてきた「公園の近くでカフェを開きたい」という夢を叶えるために、わざわざこの地へ引っ越してきたそうだ。店内は、程よい照明と窓から差し込む光が、家具や壁に微妙な陰影を作っている。まるで自然光の中にいるようで、屋内にいることを忘れてしまいそうだ。
ブレンドコーヒー(400円)は、佐々木さんが一杯ずつ丁寧に、挽(ひ)き立ての豆で入れてくれる。雑味はなく、苦みと酸味のバランスもちょうどよい正統派のおいしさだ。キリマンジャロやマンデリンなどのストレートコーヒー(500円)は、抽出方法をプレス、ステンレスフィルター、ペーパーフィルターから選べる。
スイーツのおすすめは、きめ細かな口溶けのシフォンケーキ(400円)。幅広い年齢層やさまざまな好みの客に対応できるよう、添えられているホイップクリームはあえて砂糖を加えずに仕上げてある。この他、「黒蜜とよもぎ白玉入りアイスクリーム」など、月替わりで季節のスイーツがメニューに登場。お酒も楽しめるように、ビール(400円)や季節のアルコール類(450円)なども用意されている。
佐々木さんはその控えめで落ち着いた外見に似ず、珈琲の知識や技術を学ぶために東京から神戸にあるスクールへ何度も足を運んだほどの行動力の持ち主。また、茶道を勉強しているので、カフェでは珍しい抹茶(450円)もいただける。
自然の中でゆったりと過ごす贅沢(ぜいたく)な時間をじっくり味わってみたい。