シャレール荻窪(旧荻窪団地)の近くにあるタータン珈琲(コーヒー)・田中屋は、自家焙煎する珈琲専門店だ。
通りがかると、どこか懐かしい雰囲気の店構えと、ほのかに漂うコーヒーの香りに引かれるだろう。
店主は「タータン」こと田中さん。脱サラして、夫人が営んでいた食料品店の一角に好きなコーヒーを商品の1つとして置いた。その後1978(昭和53)年からはコーヒー豆の販売に特化した。ダッチ式ウォータードリッパー(※)との出会いが、まろやかな、香り豊な水だしコーヒーの追求へと進ませた。水だしコーヒーに合う豆を探し、平成に入った頃から水だしコーヒー「一滴のしずく浪漫」の販売を開始。近所に住む女優が「一滴のしずく浪漫」をTVで紹介したのを契機に、各地の百貨店等での催事販売に乗り出し、今も続いている。催事販売の際も、自慢のダッチ式ウォータードリッパーを持ち込んで、客に水だしの過程を見てもらっているそうだ。
おすすめ商品
ダッチ式ウォータードリッパーで一滴ずつ時間をかけて抽出する、水だしコーヒー「一滴のしずく浪漫」(1リットル1,400円/1カップ350円)。「7~8時間かけて水で抽出するため、溶け込むカフェインの量が少なく、また脂肪分が溶け込まないので、酸化が遅く風味が長持ちします」と田中さんは言う。新鮮なコーヒー豆からでなければ出せない、苦みのないスッキリとした味わいで、お湯で入れるコーヒーとはまったくの「別物」だそうだ。ホット用のコーヒー豆では、インドネシア産の「ミルキーマンデリン」(200グラム1,300円)が店のおすすめ。焙煎具合や豆の挽(ひ)き方も注文に応じてくれる。各地の催事でのみ販売する「コーヒーゼリー」やコーヒー味のソフトクリーム「かうひいソフト」も人気だ(催事情報は公式HP参照)。
※ダッチ式ウォータードリッパー:水だしコーヒーの抽出方法は、主にコーヒーの粉に水を一滴一滴たらす「ドリップ式」と水に浸して抽出する「浸透式」があるが、ウォータードリッパーは前者。ダッチ式はオランダ式のこと