西荻窪駅の改札を出て、線路下「西荻マイロード」を荻窪駅方面に歩くと南インド料理をメインとする大岩食堂がある。カレー好きな大岩さんが、南インドカレー店「エリックサウス 八重洲店」から2014(平成26)年に独立して、ここに店を構えた。
大岩さんは、2011(平成23)年にスリランカへ行き、改めてカレーやスパイスを使う料理の奥深さに魅了された。独立後も試行錯誤を重ねるうちに「パターン(伝えたい味)がわかってきた」そうだ。初めのうちはインドのカレーでよく利用されるマトン(羊肉)のような存在感の強い食材も提供していたが、現在は人気メニューの傾向を踏まえ、身近な野菜などの素材感をスパイスによって引き立てるよう心掛けている。
大岩食堂のメインメニューは、「ミールス」という、米とカレー、副菜が一緒になった南インドの定食である。バスマティライス(パラパラした米)、パパド(インドの薄せんべい)、ラッサム(辛味と酸味のスープ)、サンバル(豆と野菜を煮込んだスープ)とサラダが基本で、カレーの種類と好きなおかずを自由に選べる。
日曜のランチには、インドのスパイシーな炊き込みご飯「ビリヤニ」も数量限定で提供される。カレー1種類とサラダ、ライタ(ヨーグルトベースのサラダ)がセットになっている。基本は「チキンのビリヤニ」だが、週末には旬の素材を利用したビリヤニが提供されることもあるそうだ。
「ミールス」と「ビリヤニ」はテイクアウトも可能だ。
サイドメニューのアチャールは、南高梅や半熟玉子、鶏レバー、砂肝、白イカのゲソなどさまざまな種類があり、食材によって異なる味や食感を楽しめる。他にも、軟骨までコリコリ食べることができるクミンシードが効いたジーラチキンや、旬の食材を利用した季節ごとのおかずを提供している。
アルコールメニューも充実しており、純米酒や自然派ワインなどがそろう。「自家製スパイシーレモンサワー」は、大岩さんが仕事を終えて自分が楽しむために考えた一品。国産レモンとカレーのベースでもあるスパイス(クローブ、カルダモン、コリアンダー)をレモンの熟成具合に応じて1~3ケ月ほど漬け込んで作る。