上井草スポーツセンター(以下、センター)は区内最大の総合体育施設だ。
センターの前身は、西武鉄道が1927(昭和2)年、当地に運動場を整備したのが始まり。その後、1936(昭和11)年に上井草球場(開場当初は東京球場)が建設され、東京都が買収するまで23年間、主にプロ野球や大学野球に使われた。1964(昭和39)年、都は水道水の安定供給のため球場を取り壊し、その地に上井草給水所配水池(約18万トン)を造り、3年後に上井草総合運動場を配水池の上に造成した。杉並区に移管された後、1998(平成10)年センターとして新規開設した。2009(平成21)年からは現在の指定管理者(※)に運営委託されている。
センター責任者の新井さんは、「グラウンドの下が配水池ゆえに冬場の降雪・積雪のときはなかなか雪が解けず、除雪には苦労します」と話す。そのような苦労の中、センターでは利用者の安全のため、日々のメンテナンスや休館日の定期点検を行っている。
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各施設は個人による一般利用のほか、団体による貸切利用も可能。
屋外施設
メイン施設の一つ、面積24,945㎡の広さを誇る人工芝グラウンドがある。軟式野球やソフトボールなら4面、成人サッカーなら1面、少年サッカーの場合2面が使える広さだ。グラウンドの周りにはジョギングやウォーキング用の一周650mのコースがあり、早朝6時から利用できる。ほかにゲートボールやフットサル用の小運動場がある。4面のテニスコートは現在工事中のため、2021(令和3)年3月31日まで休場予定。
屋内施設
地上2階、地下1階の建物内には、バドミントンコートが6面分取れる体育館や、一般用25m・幼児用15mの温水プール、豊富なマシンがそろったトレーニングルームのほか、区内では珍しい弓道場もある。小体育室もあり、剣道の稽古なら2面とれる広さだ。未就学児を対象にした「こどもの広場」、授乳室、飲食可能なコミュニティスペース「ふらっと広場」があり、家族やグループで気軽に利用できる。
センター内には整骨院まである。スポーツ後に体のメンテナンスの相談もできる嬉しい施設だ。