もともと手仕事で作られる民芸品に興味を持っていた小林さん。「店を始める前、ウェブデザイナーをしていた頃から、旅行をするたびに地⽅の民芸品を見て回っていました。2017(平成29)年に“TABITOTE”というウェブマガジンで産地や⼯房の紹介記事の発信を始め、気に⼊った品をオンラインストアで販売するようになりました」。実店舗を構えてからも、竹細工や木工、組紐などさまざまな民芸品を扱っているが、一番好きなのは焼き物だという。「例えば、瀬戸焼の伝統的な馬の目皿(※1)を、今の料理に使いやすいようにフラットなデザインにした物があります。これからも、新しいチャレンジをしている地方の作家を紹介し、民芸品の良さを伝えていきたいと思っています」
併設のコーヒースタンドのメニューにも、手仕事という店のコンセプトを生かしている。人気の「エスプレッソ抹茶ラテ」は、エスプレッソマシーンを使わず、小林さんがエアロプレス(※2)でコーヒーを抽出し、抹茶も茶せんで丁寧にたてる。島根県の松江市からラテに合う抹茶を取り寄せており、甘いミルクと抹茶の風味がエスプレッソの苦みを和らげて飲みやすい。
「レモンコーヒー」は自家製レモンシロップを使った看板メニュー。爽やかな酸味で、暑い日にアイスで飲むのにぴったりだが、冬もホットレモネードのような感覚で楽しめるという。
その他、「エスプレッソジントニック」などのアルコールメニューや、「あまおう酢ミルク」のようなコーヒー以外のドリンクもある。
※1 馬の目皿:江戸後期から末期にかけて瀬戸で焼かれた器。周囲に渦のような模様が連続して描かれているのが特徴
※2 エアロプレス:空気圧を使ってコーヒーを抽出する器具