芝生エリアに咲く「思いのまま」。1本の木に紅、白、絞りを咲き分ける品種
区の複合施設「セシオン杉並」の南側に位置する、南北に細長い公園である。環状七号線沿いに建つ都営アパートの裏手にあり、寺に隣接していることもあって静かで落ち着く空間だ。
元々の名称は「堀ノ内公園」。1964(昭和39)年度からはじまった都による整備事業を翌年から区が引き継ぎ、1967(昭和42)年3月に区立公園として開園した。その後、付近一帯が堀ノ内から梅里という新町名に変わり、1977(昭和52)年12月14日に「梅里公園」と改称された。
1988(昭和63)年から約10年間は、神田川・環状七号線地下調節池第一期工事で園内の大部分が閉鎖されていたが、この機に、園路の段差解消などの全面改修が行われ、1999(平成11)年3月に誰でも安心して利用できる公園として生まれ変わった。
全面改修の際、区の梅の名所にするべく30種類の梅(※1)が植えられた。杉並区都市整備部みどり公園課によると、2021(令和3)年3月現在の梅の総本数は約80本だそうだ。種類によって開花時期が異なるので、年末から3月中旬くらいまでは梅見ができる。
例年2月末には「梅里まつり」が開かれ、甘酒のふるまいや子供にはひな菓子が配られる。消防団員による消火器体験もあり、防災も学べる地域密着型の人気イベントだ。
また、園内から見られる隣の真盛寺の桜や紅葉も美しく、1年を通して、季節のうつろいを感じられる場所でもある。
遊具エリアには、車椅子でも利用できる幼児用木製複合遊具や、ブランコ、砂場のほか、珍しいプレイスカルプチャもある。これはコンクリート製の遊具で、1969(昭和44)年5月の杉並新聞には「巨大なアブストラック調のスベリ台」と紹介されている。
公園北側には、中学生以下が使用できる球戯場もあり、キャッチボールやバレーボールなどを楽しめる。このエリアに植えられているしだれ梅も美しい。
園内には、2基の太陽光エネルギーを電源とした防災用井戸があり、災害時の生活用水確保と水遊び場の水源を兼ねる。また、東京消防庁の取水施設も併設され、地域の防災拠点としての役目も担っている。
広さ:5,621.32㎡(令和3年3月18日現在)
駐車場:なし
駐輪場:あり
ベンチ:11台
水遊び場:あり
ボール遊び場:球戯場あり
犬連れ:不可
トイレ:あり
バリアフリートイレ:あり
売店:なし
飲料自販機:なし
管理事務所:なし
防災設備:ポンプ格納庫、防火貯水槽5t、消防貯水槽100t、手押しポンプ井戸
※1 南高、未開紅、紅冬至、藤牡丹枝垂、紅千鳥、呉服枝垂、佐橋紅、思いのまま、烈公梅、見驚、千代鶴枝垂、綾服枝垂、緑萼枝垂、織姫、鹿児島紅、大盃、酔心、紅筆、古金襴、白加賀、米良、玉簾、緋の司、八重寒紅、月の桂、玉垣枝垂、月影枝垂、雪山枝垂、緋の司枝垂、玉英
「杉並区広報第336号」(杉並区役所)
「杉並区広報第369号」(杉並区役所)
「杉並新聞 第1656号」(杉並新聞社)
「神田川・環状七号線地下調節池」(東京都建設局)ホームページ
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000029010.pdf
「住宅地防災公園―再生― 人にやさしい開放的な公園づくり」(LIXIL)ホームページ
http://www.nelsis.jp/nelsis/vol1/p33.htm