JA東京中央 ファーマーズマーケット荻窪(FARMERS MARKET 荻窪)は荻窪駅南口から徒歩約10分、青梅街道沿いに店舗を構える。2019(平成31)年4月に「杉並グリーンセンター」からリニューアル。杉並区や中野区、世田谷区および近隣地域の地場野菜、農産加工品、花苗・切り花を扱っている。
店内にはシャキッとしたホウレンソウやチンゲンサイ、つややかなピーマンやシシトウなどが並び、鮮度の良さがうかがえる。季節によっては複数の品種を取りそろえており、スタッフ手作りのポップを参考に好みの品を選ぶのも楽しい。調理方法に悩んだときは、スタッフに尋ねるとおいしい食べ方をアドバイスしてもらえる。売り切れることも多いため、お目当ての商品がある場合は早い時間に訪ねるといいだろう。
新潟県魚沼市や山梨県笛吹市をはじめ、杉並近隣以外の地域の旬な野菜や果物、農産加工品も販売している。地域交流を込めて、地域の特産物を紹介し農家を応援することが目的だ。就農者は高齢化が進み、技術が継承される機会も減っているという。店長の平塚さんは「地場野菜の直売所としてだけでなく、農作物を身近に感じられる“地域の広告塔”のような店を目指しています。農作物を通じて、もっと多くの方に農業についても知ってもらえるとうれしいですね」と話す。
また、区内の飲食店や福祉関係者と協働で、地産地消の取り組みを推進している。「農を軸に、生産者だけでなく卸売業者、消費者など、各々がつながれる場として新しい試みの準備を進めています」
季節の野菜や定番野菜を問わず「どれもおすすめ」とのこと。葉の裏が紫色の水前寺菜(すいぜんじな)、間引き菜(まびきな)や中玉トマトなど、スーパーで見かけることが少ない野菜もそろう。「海のわかめに似た、地上で栽培するおかわかめは、サラダにしても、軽く火を通して汁物と合わせてもいいですよ」と平塚さん。地場野菜の入荷は生産者の収穫状況にもよるので、商品がたくさん並んでいる日は絶好の購入チャンスだ。
地方の農作物については、生産者の思いや東京で販売する目的などを聞いて、都度取り扱いを決めているという。その土地ならではの特産品が多いので、気になる商品に出合えたら、この機会に試してみてはいかがだろうか。