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鶏肉のカレー(大江カレー)

2022(令和4)年6月のメニュー。魚介のカレー(写真左)はサバ、野菜のカレーはブロッコリーとトウモロコシとジャガイモ

2022(令和4)年6月のメニュー。魚介のカレー(写真左)はサバ、野菜のカレーはブロッコリーとトウモロコシとジャガイモ

スパイスの華やかさと濃厚なうま味を両立

店主の大江健太郎さんが2019(令和元)年12月、高円寺にオープンしたカレー専門店「大江カレー」。鶏肉、魚介、野菜の3種のカレーを提供している。
中でも「鶏肉のカレー」(1,000円)は、開店後も試行錯誤を重ね続け進化する一皿。スパイスは、コリアンダーを中心としたパウダーのミックスに、クミンはあえてホールを使用し、口元に運んだ際の香りも重視。カレーベースはガーリックを足してコクをアップ。鶏肉を国産のハーブ鶏に替えてからは、肉のうま味もより楽しめるようになった。北海道産「ななつぼし」と「コシヒカリ」をブレンドして炊いたライスとの相性も抜群で好評を博している。
「昔ながらのカレーライスの現代版のような、スパイスをきっちりと使いつつ、しっかりとご飯に合うカレーにしたい」と大江さん。小麦粉不使用なのでスパイスの香りが際立つと同時に、カレーベースにも鶏肉にもしっかりとした味わいがあって、食べ進むほどに食欲が湧いてくる。

「鶏肉のカレー」。温かみのある木製の食器を使用している

「鶏肉のカレー」。温かみのある木製の食器を使用している

魚介と野菜は月替わりメニュー

「魚介のカレー」(1,200円)と「野菜のカレー」(1,100円)は「旬のものを使いたい」という理由で、それぞれ月替わりの具材で提供している。人気の具材は、魚介はブリやサバ、野菜はジャガイモやマッシュルーム。カレーベースも具材に合わせて開発したレシピを使う。「魚介のカレーは複数の乾物をミックスしてだしをとっています。野菜のカレーはバターを多めに加えているので一般的なベジタブルカレーよりもしっかりした味付けになっていると思います」。また、野菜のカレーは、2017(平成29)年に南インドのタミル・ナードゥ州の古都マドゥライで出合った「いろんな具材が使われている黄色いカレー」が日本のカレーと似ていて、その印象を元に作っているとのこと。
ドリンクは、コールド2種とホット1種を用意。どれもほんのりと甘く「辛いカレーを食べた後に甘いドリンクで一息つくという、辛さと甘さのコントラストを楽しんでもらいたい」

3種のカレーから好きな組み合わせでオーダーできる「2種カレーセット」も用意されている

3種のカレーから好きな組み合わせでオーダーできる「2種カレーセット」も用意されている

大江さんのお勧めは温かい「クローブチャイ」(500円)。クローブの香りを生かしたすっきりとした甘さ

大江さんのお勧めは温かい「クローブチャイ」(500円)。クローブの香りを生かしたすっきりとした甘さ

「大江カレーはごはん屋さん」

新宿の人気店「curry 草枕」のキッチンで働きながら、インドや国内で料理教室に通うなどのカレー修業を重ね、2018(平成30)年に間借り営業のスタイルで自分の店を始めた大江さん。他には下北沢なども候補だったが、最終的に高円寺での開店を決めた。「小さい飲食店が多く、街全体が一つの大きなレストランみたいな感じがした。この街でなら、自分がおいしいと思うカレーライスを受け入れてもらえるんじゃないかと思い、ここに決めました」
高円寺にはすでに個性的なカレー店やエスニック料理店などがあるが「大江カレーは基本的にはごはん屋さん。いつ来てもおいしいカレーとドリンクで一息つける、そんな店が理想です」と、流行を追わず地域に根差し長く愛される店を目指す。

店主の大江健太郎さん。高円寺には開店以前からライブハウスや古着屋目当てでよく通っていたそう

店主の大江健太郎さん。高円寺には開店以前からライブハウスや古着屋目当てでよく通っていたそう

直近はラーメン屋だったという店内はレトロモダン風。50年以上前のバー時代に使用されていたカウンターが今も残る

直近はラーメン屋だったという店内はレトロモダン風。50年以上前のバー時代に使用されていたカウンターが今も残る

店舗情報

・カレー:鶏肉のカレー、魚介のカレー、野菜のカレー
・辛さ調節:0~5までの6段階。1が中辛
・ドリンク:ラッシー、シナモンチャイ、クローブチャイ、ビール
・席数:7席
・子連れ:可
・開業:2019(令和元)年12月

「うちは地元の人向け」の言葉どおり平日は地元客中心だが、休日は評判を聞きつけた客も来てにぎわう

「うちは地元の人向け」の言葉どおり平日は地元客中心だが、休日は評判を聞きつけた客も来てにぎわう

DATA

  • 住所:杉並区高円寺南4-7-5久万乃ビル  
  • 電話:080-7806-0658
  • 最寄駅: 高円寺(JR中央線/総武線) 
  • 営業時間:11:30-15:00 / 18:00-21:00
  • 休業:水・木曜
  • 公式ホームページ(外部リンク):https://twitter.com/s2curryoe
  • 取材:嶋野夏樹
  • 撮影:嶋野夏樹
    取材日:2022年06月14日
  • 掲載日:2022年07月19日