魚き食堂(うおきしょくどう)は、カウンター席の目の前で調理したアツアツの焼き魚が食べられる、都内でも珍しい西京焼き専門店だ。新高円寺駅から徒歩約4分の青梅街道沿いに、2018(平成30)年2月にオープンした。
店主の森大樹さんは、「実家が都内で仕出し弁当店を営んでおり、中学生時代から手伝いをしていました。お弁当の人気メニューが西京焼きだったのですが、僕は20歳ごろから“お客さんに焼きたてを食べてもらいたい”と思うようになったんです」と語る。
2011(平成23)年3月、27歳の時、実家の弁当店に漬け魚を提供している北海道小樽市の工場に修業に出た。「東日本大震災の2日後で、行くかどうか迷いましたが、今となっては人生の転機だったと思っています」。小樽では、西京漬け職人である師匠の下、魚の種類や産地、商売のいろはなどを教えてもらった。創業資金集めにはクラウドファンディングを活用したという。
「ひらす西京漬け定食」(1,150円、平日ランチ980円)は、杉並区のヘルシーメニューに認定されている。「家庭では調理が面倒な魚や野菜を、手軽に食べてほしいという思いから提供しています」。銀ひらすを使用しており、白身魚ならではのさっぱりした味わい。身がふっくらしているので、ヘルシーながらもしっかりした食べ応えがある。
この他、魚の塩焼きや醤油漬け、鶏モモや豚ロースの「旨辛味噌漬け」など、西京漬け以外の定食メニューも充実。テイクアウトの弁当も販売しており、特にコロナ禍は需要があったという。また、高円寺周辺を対象に弁当や切り身の宅配を行っているほか、切り身のギフトボックスの地方発送も受け付けている。