人気の「ヴィ―ガン ミールス」。総菜を自由に混ぜて食べてもおいしい
vege&grain cafe meu nota (メウノータ)は、新鮮な野菜、穀物、植物由来の食材だけを使ったヴィーガンスタイルのカフェ。オープンは2010(平成22)年2月。店名の「メウノータ」(meunota)はポルトガル語で「meu」(私の)と「nota」(メモ・レシピ・音符など)を合わせ、「私の音」という意味合いの造語だそうだ。
「ベジタリアンもそうでない人も、誰もが楽しんで食事ができる場所を作りたかった」と語るのはオーナーシェフの伴奈美さん。もともと飲食業界で働き、レストランやカフェの立ち上げや商品開発に携わってきた。自身の店を持つ際に「動物性の食材を使う時と比べてキッチンの汚れ方が少なく環境にやさしいこともヴィーガン料理を選んだ理由の一つ」だという。
高円寺は伴さんが長年暮らす、住みやすくて大好きな街。「多種多様な人の集まる場所だからきっと受け入れてもらえるはず」と思い、高円寺駅から徒歩約5分のビル2階に店を構えた。
店の人気メニューは2種類のワンプレートミール。「ヴィーガン ミールス」(1,480円)は、2種類のカレーと、5、6種類の惣菜がプレートにのった南インドカレーの定食。「ベジ&グレイン デリ プレート」(1,400円)は玄米のご飯と惣菜にスープがついたプレート。どちらもカラフルに盛り付けられたプレートが印象的だ。一つのプレートの中でいろいろな種類の野菜が味わえ、野菜だけとは思えないボリューム感もある。焼く、煮る、蒸すなど調理法を変え、ハーブやスパイスを使い分けることで、食感や味に変化をつけたりコクを出したり、1皿にバリエーションを付けるよう意識しているそうだ。
その時に手に入る新鮮な野菜を使用するため、料理の内容はその時々で変わる。店に行くたび、どんなプレートに出合えるか楽しみだ。
伴さんが音楽好きなこともあり、店では音楽のライブイベントも時折開催される。また、伴さんのお菓子作り教室も随時開かれる。
伴さんはヨガの講師でもあり、キールタン(※)も行う。「人が発するものは、すべて音だと思う。例えば料理も音。いろいろな音を調和させ、みんなが一緒にいる空間に広がっていくのが心地いいと感じる」と語る伴さん。店でも、ヨガと食事を取り入れたイベントができればと計画している。他にも、これまでにつながってきた地方の農家を通して、その土地のフレッシュな食材を使った料理教室とヨガのイベントなども思案している。
テイクアウトメニューの「30品目のmeu notaタコライス」(1,000円)や「南インド風スパイシーココナッツカレー」(800円)などで、メウノータの味を家で楽しむこともできる。店頭では、「自家製メープルグラノーラ」(グルテンフリー、白砂糖不使用)と「オリジナルスパイスソルトbannamix」(ヒマラヤ黒岩塩、有機スパイス使用)を販売。ソルトは「何にかけてもおいしい」と客から好評だという。
料理本も出版している伴さん。家庭でも気軽にヴィ―ガン料理にチャレンジできるように工夫したレシピが掲載されている。「野菜は工夫次第で楽しく食べられるものだし、カラダが喜ぶもの。ただお腹を満たすだけではなく、自分を喜ばせるものを意識して取ってもえるとうれしいですね」
※キールタン:バクティーヨガの練習方法の一つ。歌うヨガともいわれている
『無国籍食堂メウノータのヴィーガンレシピ』伴奈美(河出書房新社)
『無国籍ヴィーガン食堂メウノータの野菜料理「味つけ」レッスン』伴奈美(河出書房新社)