井ノ頭通り沿い、永福町駅と西永福駅の中間辺りに、前面がガラス張りのスタイリッシュな建物がある。注文住宅・リフォームを手掛ける株式会社ハウステックスの東京本社ビルだ。「土地の形が三角形だったので、それに合わせて三角形の建物を建てました」と代表取締役の佐藤義明さんは話す。
2024(令和6)年6月、「地域の人と触れ合いたい、地域に貢献したい」という思いから、1階に「くらもとカフェ」をオープン。木造建築にこだわるメーカーとして、カフェの内装にもさまざまな木材を使用しており、特にピーラ(米松)材を三角形に組んだ天井の意匠が美しい。テーブルにもヒノキが使われており、木の香りとぬくもりが感じられる。
店内には、建築やインテリアの本などが展示されており、自由に閲覧することができる。
人気メニューは「無添加・グルテンフリー 赤味噌フルーティーキーマカレー」(1,100円)。赤味噌を加えることで、こくを出すだけでなく辛みも抑えられて、幅広い年齢層の方が食べやすくなっている。「チーズたっぷり半熟卵のクロックマダム」(950円)も好評で、目玉焼きにナイフを入れると黄身がトロトロ。チーズとハムを挟んだトーストに絡めて食べれば思わず笑顔になる一品だ。
ケーキや焼き菓子などのスイーツも充実しており、クリスマスシーズンの「シュトレン」など、季節に合ったメニューも登場する。コーヒーは、近隣にある自家焙煎珈琲豆(じかばいせんコーヒーまめ)の専門店「青空豆店」でブレンドされた豆を使用。ソフトドリンクのほか、クラフトビールやワインもそろえている。
キッズカトラリーの用意があり、ベビーカーも入店可能。また、テラス席にはペット用リードフックが取り付けられているので、ペット連れでも利用しやすい。
「店名の“くらもと”は、“暮らしのもと”を意味します。地域の人や町と関わり、一緒に楽しみながら暮らしを豊かに面白くしたい、人と人とのつながりができれば、との思いが込められています」と佐藤さん。本社ビル全体を「くらもとBASE」と名付け、1階の「くらもとカフェ」のほか、地下1階には「くらもとシネマ」、屋上には「くらもとスカイテラス」を併設している。
「くらもとシネマ」では月に1回、SDGsがテーマの映画を上映。ドリンクが割り引きになるお得な「映画ドリンクセット」もある。また、定期開催されるヨガ教室は、映画の来場者から「レンタルスペースとして使えないか」との問い合わせがあって実現されたそうだ。
「くらもとBASE」ではヨガやズンバのレッスンだけではなく、夏祭りや新春フェスタなどの季節イベントも実施している。夏祭りではヨーヨー釣りなどの縁日やワークショップ、新春フェスタでは箸づくりなどの木工教室や、マルシェブースでのテーブル茶道体験など楽しい企画が満載。これらのイベント情報は、店内の掲示物や公式ホームページなどで紹介している。
佐藤さんは、これからも「くらもとカフェ」の新メニューを増やしたり、新しいイベントを企画したりしていきたいと語る。「くらもとBASE」はまさに地元の基地として、店と客、客同士、いろいろな出会いが生まれる場所となっていきそうだ。