四角いチョコレートケーキのようなセンスの良いたたずまい
ヨーロッパで8年間修業し、ベルギーの三つ星レストランで日本人初のシェフパティシエを務めた鎧塚俊彦さんのケーキ店「トシ・ヨロイヅカ アトリエ」。六本木、京橋、小田原を含む「トシ・ヨロイヅカ」4店舗で販売する菓子の多くを製造する拠点である。
「直売所のように、できたてのケーキを提供できる店なんです」と、Chef(シェフ 製造責任者)の仙田さんは話す。店頭と扉を1枚隔てた裏のアトリエでは、Chefや製造スタッフなど20名ほどが、ケーキ・焼菓子・チョコレート等それぞれチームに分かれ、日々作成に励んでいる。
白を基調とした横長の店内には、レジを中央に、左側には20種類以上のケーキが並ぶショーケース、右側には季節のスイーツや焼き菓子などの売り場がある。開店前から行列ができ、オープン直後に売り切れてしまう人気商品もあるそうだ。
八幡山駅から北に徒歩約1分。1本路地に入るとレンガの道路が雰囲気を変える。「ここは都心2店舗に比べ、地域の方々に愛され守られている店舗なので、普段使いでお買い上げいただく方も多いですね。代表の鎧塚も、八幡山のそんなところを気に入っています」と仙田さん。
「トシ・ヨロイヅカ」といえば何といっても「ジャン・ピエール」。濃厚なピスタチオのクレムブリュレを、くちどけの良いショコラムースで包んだ、鎧塚シェフのスペシャリテだ。つややかなチョコレートのコーティングが鏡のように周囲を映す姿も芸術的。トップを飾る「Toshi Yoroizuka」のゴールドのペーパープレートがその自信を表す。
「トシ・ヨロイヅカ アトリエ」のおすすめは「カフェ・ショコラ」。コーヒーの軽やかな苦みのあるクリームと、少しだけブランデーを効かせたクリームを混ぜ合わせたガナッシュを使っている。しっとりとしたピスタチオの生地にプチプチ食感のイチジク入り。