テリアやマルチーズなど、小さいワンちゃんも安心の小型犬エリア
都立和田堀公園の中ほど、野球場の北側にワンちゃんたちが遊ぶ姿が見られるようになった。中が見える柵で2カ所に区切られたエリアに、杉並区立ドッグラン広場と書かれた黄色いのぼり旗が立つ。
杉並区では、ドッグランを平成10年代試験的に桃井原っぱ公園に設けたことがあった。しかしマンションや住宅等が近く、駐車場がないなどの理由から、常設には至らなかったそうだ。
「人と動物が共生する地域社会の実現」を目指し、ペットの適正飼養やマナーアップを促進しようとの思いもあり、長い時間がかかったが2024(令和6)年3月30日、都立和田堀公園内に杉並区が設置運営するドッグラン広場ができた。
「広場は小型犬体重10㎏未満のエリアと中・大型犬体重10㎏以上のエリアに分かれています。フィールドは草地で、中・大型犬のエリアは丘陵もあり運動も十分にできるのが特徴です」と、ドッグランの運営を管轄する杉並保健所生活衛生課の担当者は話す。
付近のロケーションを見ると、様々な樹木に囲まれており、各エリアにはベンチと犬用の水飲み場が設置されているので、ゆったりと犬と過ごせる。開場時間は朝7時からだが、閉場時間は季節によって変動する。犬についての知識のあるスタッフが定期的に巡回しているのも他のドッグランとは少し違う特徴といえるだろう。区立の施設だが登録をすれば区外在住でも利用できるので、近隣の中野区や世田谷区などから訪れる人もいる。
ドッグランはどのように利用されているのか。担当者によると「2024(令和6)年度は約1,600件(8月末時点)の登録があります。犬種については多種多様で、ミックスも多くいます。犬を自由に運動させる場所を提供するだけでなく、利用のルールを守っていただくことをきっかけに、飼い方の知識や啓蒙(けいもう)、さらに犬と人が触れ合える活用方法も考えていきます」と意気込みを語ってくれた。
取材時に見かけただけでも確かにいろいろな犬種が走り回っており、利用者によると「土・日・祝日は特に利用が多い」とのこと。中には、このドッグランを利用するために近隣に引っ越ししてきた方もいるそうだ。
のんびりとした環境の中で犬たちは飼い主や他の犬と走り回り、公園に散歩に来た保育園の幼児たちが、犬の姿に嬉しそうな声を上げながら通って行く。広々とした草地で愛犬と一緒に楽しんでみてはいかがだろうか。
登録の主な条件
・16歳以上の犬の飼い主であること
・利用には年度ごとに更新手続きが必要
・杉並区外在住の方も登録可
・登録時に必要なもの:犬の鑑札(またはマイクロチップ登録証明書)、当年度の狂犬病予防注射済票、飼い主の本人確認ができるもの(顔写真付き)
ドッグラン利用時間
・開場:7時
・閉場:3~4月18時まで、5~8月19時まで、9~10月18時まで、11~2月17時まで
入場の主な条件
・飼い主1人につき飼い犬1頭まで
※その他のルールは公式HPを確認の上、ご利用ください
広さ:小型犬エリア500㎡、中・大型犬エリア1,000㎡
駐車場:なし
駐輪場:あり
ベンチ:あり
水遊び場:なし
ボール遊び場:なし
犬連れ:可
トイレ:なし
バリアフリートイレ:なし
売店:なし
飲料自販機:なし
管理事務所:ドッグラン利用登録窓口
防災設備:なし