1932(昭和7)年に杉並町・和田堀町・井荻町・高井戸町が合併して誕生した杉並区は、本年10月に区制施行90周年を迎えます。区が取り組む杉並区区制施行90周年記念事業に関連する「すぎなみ学倶楽部」の情報を紹介します。
情報は随時更新いたします。
区では、区や区民に大きな影響を与えた5つの出来事を「すぎなみ5ストーリーズ」として、展示や演劇、浪曲公演、動画・教材化など、さまざまな手法を用いて次世代へ継承します。
「すぎなみ学倶楽部」の中から、「すぎなみ5ストーリーズ」について学べる記事をまとめました。
杉並の発展の基礎を築いた郷土の偉人
杉並から全国、世界に広がった核兵器反対運動
地域の力を結集し発展した東京の夏の風物詩
ごみに対する区民意識の転換
自治体連携による災害支援の新たな仕組みの構築
杉並区の歴史や地域について調べるときに役立つ記事
内田秀五郎(うちだ ひでごろう 1876-1975)は、1876(明治9)年に生まれ、日本一若い30歳という年齢で、旧井荻村の村長に就任(後に井荻町の町長)。区北部の土地区画整理事業の推進、上水道等のインフラ整備、たくあんなどの特産品の生産、井荻信用購買組合(現西武信用金庫)の設立、旧中島飛行機東京工場や現在のJR中央線西荻窪駅の誘致など、区の発展につながる多くの功績を残した。
1954(昭和29)年にビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験により、第五福竜丸などの漁船が被爆した。これを受け、安井郁氏(当時の区立公民館館長)や婦人団体などを中心とする水爆禁止署名運動杉並協議会が発足。当時人口約39万人だった区で26万筆余りの署名が集まった。やがて運動は全国、世界にまで広がり、世界を結ぶ核兵器反対運動へ発展した。
1万人が踊り、100万人の観客が熱狂する東京の夏の風物詩。1957(昭和32)年、現在の高円寺パル商店街振興組合に青年部が誕生した記念行事としてスタートした。当初は参加者38名、観客約2千人という規模だったが、地域が一体となってさまざまな困難を乗り越え、一大イベントへと発展。2015(平成27)年からは台湾公演も開催している。
1966(昭和41)年、高井戸に清掃工場を建設するという東京都の突然の発表に、地域から反対の声が上がった。その後、8年にわたる対話と交渉を経て反対派と東京都が和解。1982(昭和57)年、当時最新鋭の公害発生防止施設を備えた工場が誕生した。一連の運動は、公共施設建設の住人参加の先駆けとなるとともに、ごみに対する区民意識を変化させた。
東日本大震災時、杉並区と災害時相互援助協定を締結していた南相馬市が被災。区はいち早く救援に駆け付けるとともに、小千谷市、東吾妻町、名寄市と協力し、支援を実施。その後、2011(平成23)年4月8日に「自治体スクラム支援会議」を発足。同会議が提起した法制度の見直し要請は、全国各地の後押しもあり、災害対策基本法の改正につながった。現在は、9つの自治体で災害時の相互連携に取り組んでいる。
杉並の90年のあゆみを振り返るときに役立つ記事や、「5ストーリーズ」とともに注目したい歴史・ゆかりの人物などを紹介。
区制施行90周年にかける思いを田中区長に伺いました(2022年2月28日、区役所本庁舎にて)。
区の歴史を語る上で欠かせない5つの出来事「すぎなみ5ストーリーズ」を次世代に継承すべく、さまざまな企画に取り組んでいますので、区民の方々にぜひ参加していただきたい。90周年を機にスタートするさまざまな企画は、10年後の区制施行100周年に向けて進化させ、当時の「リアリズム」「熱量」を継承していきます。