時代別 杉並の地図

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1889(明治22)年、現在の杉並区の原形ともいえる杉並村、井荻村、和田堀内村、高井戸村の4村が誕生した。杉並村は、1923(大正12)年の関東大震災の影響で人口の流入が著しく、1924(大正13)年に町制を施行し杉並町となった。次いで1926(大正15)年には残る3村も町制に移行したが、和田堀内村はこの折に和田堀町に改名している。杉並町、井荻町、和田堀町、高井戸町が合併し、杉並区ができたのは1932(昭和7)年。その後、東京都制が施行され、東京府東京市が東京都になった1943(昭和18)年に、現在の東京都杉並区が発足した。
本コーナーは、実在の古地図などを参考に地図画像を再編集し、大正から令和にかけての杉並の移り変わりを視覚的に体験していただけるよう提供するものである。

【ご注意】

本コーナーで提供する杉並の地図は、それぞれの時代に発行された当時の地図を参考に、杉並区ホームページの文化財案内標示板、すぎナビ、各学校や寺社のホームページ等で場所や名称を可能な限り確認、補記して制作しました。そのため詳細かつ正確性に欠ける部分が含まれています。ご了承ください。


1926(大正15・昭和元)年ごろの杉並

現在のJR中央線が開通し、電気も供給されており、町としてのにぎわいが芽生えてきた時期だ。この活性の主な要因に1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災の影響がある。具体的には、都心部からの住民・寺社・私学などの転入、被災した高齢者を支援するための浴風会各種施設の設立、井荻町長・内田秀五郎らの誘致活動で実現したといえる中島飛行機の工場設立などが挙げられる。特に中島飛行機東京工場には最盛期に数千人が従事しており、農業と商業が中心だったこの地域に大規模工場がもたらした影響は小さなものではなかった。

主なトピック

  • 蚕糸試験場(当時農商務省原蚕種製造所):1911(明治44)年に設立
  • 高千穂大学:1914(大正3)年、高千穂高等商業学校を現在の杉並区大宮に開校
  • 立教女学院:1924(大正13)年、現在の杉並区久我山に転入
  • 東京女子大学:1924(大正13)年、現在の杉並区善福寺に転入

1940(昭和15)年ごろの杉並

1932(昭和7)年、約14万6千人の人口を有し杉並区が誕生。1927(昭和2)年に開通した現西武新宿線に続き、1933(昭和8)年に現京王井の頭線も開通し、住宅地として発展しただけでなく、当時の世情を反映し軍関係者の往来も盛んになっていった。一方、文化人や文壇を目指す若者が集った「阿佐ヶ谷会」が1938(昭和13)年ごろより開催され、戦後1949(昭和24)年には西洋での知見を持つ文化人らの交流を育んだ「カルヴァドスの会」も始動しており、昭和初期は区が文化的な都市として幕開けを迎えた時代でもあった。

主なトピック

  • 河北医療財団:1928(昭和3)年に設立
  • 東京衛生アドベンチスト病院:1929(昭和4)年に設立
  • 女子美術専門学校:1935(昭和10)年に現在の杉並区和田に転入
  • 岩崎通信機株式会社:1943(昭和18)年に本社転入

1998(平成10)年ごろの杉並

1963(昭和38)年の住居表示の開始により、梅里、桃井、本天沼、浜田山などの新しい町名が登場し、ほぼ現在同様の杉並区の姿となった。人口は、昭和後期以降50万人前後で推移しており、状況に比例するかのように教育機関も新設されている。
中島飛行機東京工場の最終的な後継となった日産自動車荻窪工場は、1998(平成10)年に群馬県富岡市に移転。その後、敷地の東側は区立桃井原っぱ公園に、西側はクイーンズ伊勢丹杉並桃井店、日産プリンス東京販売株式会社荻窪店になり、工場の跡地には「ロケット発祥之地」の碑と「旧中島飛行機発動機発祥之地」の碑が残されている。また、区内最大の総合体育施設「上井草スポーツセンター」が1998(平成10)年に開設されている。


2020(令和2)年ごろの杉並

少子高齢化の進行、教育改革により、小学校の統合や小中一貫教育が推進され、2008(平成20)年に区立天沼小学校、2015(平成27)年に区立杉並和泉学園、2020(令和2)年に区立高円寺学園が開校し、いくつかの小・中学校が閉校となった。また、2004(平成16)年には桜水商業高等学校が杉並総合高等学校に、2007(平成19)年には永福高等学校が永福学園となり学びの変革が具体化していった。立教女学院は短期大学の2018年度以降の学生募集を停止するなど、平成から令和にかけては人口構成の変化とともに教育機関の再編成が目立つ。

DATA

  • 取材:高円寺かよこ