浜田山駅または西永福町駅から南側へ徒歩10分余り、神田川の八幡橋を少し南に入った場所にある下高井戸八幡神社(しもたかいどはまだやまはちまんじんじゃ)。近くにある塚山公園からは弥生時代の集落跡が発掘されており、古くから人が住んでいたことが推測できる。
この土地に神社が創建されたのは1457年。室町時代の武将、太田道灌が江戸城築城の際の災難除けを祈願し、鎌倉の鶴岡八幡宮の神霊を新たに迎えて祀(まつ)ったことに始まったとされる。当時このあたりは高井戸村と呼ばれ、杉の産地として有名で、ここで採取した杉が江戸城の建造にも使われたといわれている。
高井戸は江戸幕府によって甲州街道が整備されると、京都寄りを上高井戸村、江戸城寄りを下高井戸村に分けられ宿場が設けられた。当社はその下高井戸村の鎮守社である。
9月の例大祭では、昼前に神社の近隣から4つの神輿が出て合同宮入りをし、御神楽が奉納される。また、100店もの露店が並び、広い境内も大勢の人でにぎわう。
授与所には財布などに入れて常に持ち歩けるプラスチックカード製のお守りがあり、ご利益があると遠く九州からも問い合わせがある。「厄」の字が逆さまに書かれ、重力に負けて厄が落ちそうな厄落としの絵馬も面白い。
下高井戸八幡神社は久我山稲荷神社、上高井戸第六天神社、西高井戸松庵稲荷神社、杉並宮前春日神社の本務社にあたり、各兼務社(※)の御朱印も当社でいただける。
※兼務社:神職が常勤していない神社