株式会社ゼロジーはアニメの企画・制作会社。代表取締役社長・プロデューサーの先川幸矢(さきかわ さちや)さんと執行役員・制作統括の大林卓司(おおばやし たくじ)さんへのインタビューを元に、記事をまとめた。
当社は「有限会社ゼロ・G・ルーム」創業者の根岸弘によって2011(平成23)年に設立されました。「アニメ・インターナショナルカンパニー」のプロデューサーだった先川幸矢が代表取締役社長に就任後、2016(平成28)年に、初のテレビアニメ作品「バッテリー」が放送されました。その後2017(平成29)年の年末より、下井草駅近くに事務所を構えて現在に至っています。
杉並にはアニメ関連会社が多く集まっていますので、外部スタッフ、協力会社などとの距離が近いことは大きなメリットですね。下井草は都心に出やすく、多摩地区など東京の西部にもアクセスしやすい利便性の高い場所です。また生活の場としても、地域ぐるみで若者を呼び込み、地域を盛り上げていくような活気があるところに魅力を感じています。
制作に当たっては、若手からベテランまで、社内外のスタッフのネットワークを一番大切にしています。
例えば原作がある企画の場合、原作を読みながらメインとなるスタッフを考えます。監督の候補などを強くイメージできたときは制作の受注を強く希望します。弊社で制作をした「ぐらんぶる」は原作を読んだ瞬間に「この作品ならぜひ監督を高松信司さんに!」と思い、お願いして実現しました。高松さんのように実績のあるベテランもいれば、作品内容によってはお付き合いのある監督未経験のクリエイターを抜擢することもあります。作品がいくつか同時に進行すると、並行して作業している班ごとに個性が出て面白いですよ。
杉並は会社の本拠地に選んだ場所。アニメの制作会社はたくさんありますが、なかでもゼロジーの個性が光っていると言われるような作品を、これからも作っていきたいと思っています。
▼杉並が舞台の映画「ぼくらのよあけ」
2022(令和4)年10月公開の映画「ぼくらのよあけ」は、2049年の近未来を舞台にしたSF作品。2013(平成25)年まで杉並区成田東にあった「阿佐ヶ谷住宅」を中心に、阿佐ヶ谷パールセンターなど、杉並区民にはなじみの深い場所が登場する。