「いぬさんクッキー」。不定期で販売されているが、リクエストも届くそう(写真提供:atelière)
「atelière」(アトリエール)は週末の2日間だけ開く焼き菓子の専門店。2022(令和4)年1月、西荻窪駅北口から徒歩約15分の住宅街に開店した。
営業日は金曜・土曜日となっており、オープンしている日には、20種類ほどの菓子が大きなテーブルやカウンターに並ぶ。近くにある都立善福寺公園に遊びに来た人や近所の人などが土産やおやつを買いに訪れ、人気商品はすぐに売り切れることも多い。
店主の山野さんはカフェで菓子作りを学び、企業のノベルティーや雑誌の表紙を飾る菓子の考案・製作などの仕事を経て独立。2016(平成28)年に、焼き菓子の注文製造販売やお菓子教室などを主としたオンラインの店「atelière」として活動を開始した。
念願だった菓子工房を善福寺に構え、店頭販売を開始してからは、地域との交流も生まれている。店内で客同士があいさつし合う姿も見られ、山野さんは「来店される方々は礼儀正しくて優しい方ばかり。私も見習わなければと思います」と話す。誘いを受けて他店で販売したり、地元店とコラボしたりすることもあり、開催日などの情報は店の公式SNSで紹介している。
「焼き菓子が好きな方は、素材の味を楽しまれるのかなと思い、シンプルな材料でおいしく作れるように工夫しています」と山野さんは言う。基本材料となるバター・小麦粉・砂糖・卵の配合により食感を調整し、ナッツや果物など混ぜる素材との組み合わせは、試作を繰り返して決めるそうだ。「西荻窪には似たようなお店が多数あり、皆さん頑張っているのが励みになります」
焼き菓子に貼られたシールには、英語で「良い日になりますように!お茶の時間を楽しんで」と書かれており、山野さんの気持ちが伝わってくる。
「初めて来店される方には、定番のクッキーと季節の果物を使ったケーキを紹介しています」と山野さん。定番のクッキーの一つ「ピーナッツバタークッキー」(220円)は、刻んだナッツやチョコレート、オートミールなどさまざまな素材の風味と食感が楽しめる香ばしい逸品。
季節の果物を使った「苺のショートケーキ」(650円)は、きび砂糖の茶色っぽいスポンジ生地が印象的。甘く溶けるような食感で、あっさりとした生クリームとよく合う。すりおろしたニンジンが入った「キャロットマフィン」(540円)は、ナッツがたっぷりとのっており朝食にもおすすめだ。
菓子の種類は季節により変化するので、公式SNSでチェックしてほしい。