西荻窪駅北口から徒歩約3分、伏見通りを少し歩いた左脇道にある和カフェ「西荻3時」は、オーナーの林田さんが2021(令和3)年5月に開店した。デザインの仕事で西荻窪を訪れていた時、閉店する店があると聞いたことがきっかけだ。古さと新しさが混在する良い街だと感じていたことと、いつかは自分の店を持ちたいと思っていたことから、すぐにその物件の契約を決めたそうだ。
そして幅広い世代の人に好まれるアイスクリームと、出身地である長崎県の銘茶「そのぎ茶」に関する商品を提供することにした。
華やかなパフェやジェラートなど、季節によって変わるこだわりのメニューが充実。2022(令和4)年の全国茶品評会で、「蒸し製玉緑茶部門」の1位になった「そのぎ茶」を使った「抹茶ラテ(冷)」「そのぎほうじ茶キャラメルジェラート」など、甘さ控えめでさっぱりした味わいが人気だ。
「西荻3時」では、「そのぎほうじ茶と塩キャラメルパフェ」やジェラートにクマの目鼻や耳を付けたベアトッピングの「和みジェラート」などメニューが豊富で、茶菓子や飲み物と組み合わせることもできる。林田さんは、西荻窪の老舗パン屋「藤の木」のラスクを茶菓子として使ったり、ベアトッピングのクマの名前を募集して「荻三(オギゾー)」と客に名付けてもらったり、工夫を重ねている。
「そのぎ茶」は生産量がわずかで、関東ではあまり流通していないが、「西荻3時」では生産農家から直接新鮮な茶葉を仕入れている。「そのぎ茶」を使ったスイーツを味わったり、茶葉を購入したりするために、遠くから足を運んでくれる客も増えているそうだ。
茶農家の人たちも、西荻窪から「そのぎ茶」が広まっていくことを応援している。
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古民家をリノベーションした店は、こぢんまりとして落ち着いた雰囲気だ。古いたんすの引き出しを棚として利用し、長崎県の陶磁器「波佐見焼」(はさみやき)などをディスプレーしたり、古道具屋で見つけた時計を入り口に飾ったり、居心地の良い空間をつくっている。
季節ごとに変えているメニューも、フリーペーパーのような冊子で手に取りやすい。パフェやジェラートなどのおいしさだけでなく、近隣から集まったスタッフの接客の良さも評判が高い。
林田さんは「これからも長崎と西荻窪のさまざまな人から力を借りて店を盛り立てていきたい。テイクアウトもしているので、パフェの持ち帰りもできます。親しみやすい店なので気軽に来てください」と語ってくれた。
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