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和菓子処 荻窪餡

「栗どら焼き」と「みたらし団子」。みたらしはたれが団子の中に入った関西風

「栗どら焼き」と「みたらし団子」。みたらしはたれが団子の中に入った関西風

和の趣のある店

荻窪駅南口から徒歩約3分、路地に面した小さな和菓子店がある。瓦屋根に「大福」の旗が目印だ。
夫婦二人で営む「和菓子処 荻窪餡」(おぎくぼあん)は、荻窪にある和菓子の店という意味で名付けたとのこと。大人が2人入ればいっぱいの店内には、緋毛氈(ひもうせん)の上に色とりどりの和菓子が並ぶ。「和菓子は季節のものなので、春には桜餅やうぐいす餅、秋には栗のお菓子などを並べています」と奥様。

「うす塩こし大福」(240円)。なめらかなこしあんの甘さをごく少量の塩が引き立てる

「うす塩こし大福」(240円)。なめらかなこしあんの甘さをごく少量の塩が引き立てる

「和菓子処 荻窪餡」外観。ラーメン店の隣

「和菓子処 荻窪餡」外観。ラーメン店の隣

滋賀の羽二重餅を東京に

「和菓子処 荻窪餡」のご夫婦が和菓子店を始めたのは2004(平成16)年頃。一時は吉祥寺と三鷹に3店舗があり、人を雇って切り盛りしていた。2016(平成28)年頃に荻窪に移転、一つの店として営業を始めて今に至る。
最高峰とも呼ばれる滋賀の羽二重餅にほれ込み、縁のある滋賀の菓子工場から取り寄せているが、夫婦ともに滋賀の出身ではないそうだ。季節のいちご大福などは店でご主人が仕上げている。

ショーケースに並ぶ大福などの生菓子は売り切れることも

ショーケースに並ぶ大福などの生菓子は売り切れることも

上生菓子(各370円)は京都の職人から仕入れている。お正月に買い求める人も多い

上生菓子(各370円)は京都の職人から仕入れている。お正月に買い求める人も多い

おすすめ商品

ぜひ賞味したいのは「黒豆うす塩荻窪大福」(240円)。こしあん、つぶあんを黒豆入りのやわらかな羽二重餅でくるんだ一品だ。「羽二重餅は時間がたっても固くなりにくいんですよ」と奥様。秋の行楽シーズンには、杉並区立大田黒公園などを散策した人が土産に買い求めていくそうだ。
2022(令和4)年には新商品として「荻窪大福ぱん」(190円)を発売。パンの中に、予想を覆す厚さの皮に包まれたあんが入っており、羽二重餅のもちもち感とパンの香りがとてもよくマッチしている。大福に合う小麦粉の配合など、工夫をこらして開発された。こしあん、つぶあんの2種類があり、毎朝パン店が焼き上げている。

▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 特集>公園に行こう>杉並区立大田黒公園

「黒豆うす塩荻窪大福」。皮は黒豆入りの羽二重餅で、豆の食感と香りが楽しい

「黒豆うす塩荻窪大福」。皮は黒豆入りの羽二重餅で、豆の食感と香りが楽しい

「荻窪大福ぱん」。こしあんは白、つぶあんはよもぎの大福が入っている

「荻窪大福ぱん」。こしあんは白、つぶあんはよもぎの大福が入っている

四季を通じた地元付き合い

来店客は「昔から住んでいらっしゃる年配の方も多いけれど、若い方も多く来てくださる」と奥様。特に年末年始は正月用の餅がよく出るという。「羽二重餅を“やっぱりこれがいいわ”と毎年買っていかれるお客様もいらっしゃるんですよ」。ふらっと立ち寄って、和菓子を選びながらおしゃべりを楽しむマダムが多いのは、奥様の温かな人柄によるものだろう。日本の四季が感じられる和菓子を、風情のある店内で楽しく選んでみてはいかがだろうか。

荻窪大福のこだわり

荻窪大福のこだわり

DATA

  • 住所:杉並区荻窪5-29-1
  • 電話:03-3398-6250
  • 最寄駅: 荻窪(東京メトロ丸ノ内線)  荻窪(JR中央線/総武線) 
  • 営業時間:10:30-18:00
  • 休業:年末年始
  • 取材:とりの
  • 撮影:とりの
    取材日:2024年11月12日
  • 掲載日:2024年12月23日