寺社巡りとグルメが楽しめる「福」の街
永 福 町
EIFUKUCHO
「永福」という縁起の良い町名の由来となった「永福寺」をはじめ、あちこちに寺社があり、遠方からも参拝者が訪れている。
ショッピングエリア併設の駅ビル「京王リトナード永福町」や二つの大きな商店街での買い物も楽しめる。京王井の頭線の急行が止まる永福町駅は渋谷駅まで約10分、吉祥寺駅まで約8分と交通アクセス良好。JR中央線・高円寺駅方面や東京メトロ丸ノ内線・方南町駅方面などには、駅前の井ノ頭通り沿いを走る路線バスで行くことができる。
グルメでは駅前の老舗ラーメン店「永福町大勝軒」が有名だが、他にも駅北側を中心に人気のラーメン店やイタリア料理店が営業しており、多彩な味を楽しめる。
永福町駅から徒歩約10分圏内に、区内最大の梵鐘(ぼんしょう)がある「龍光寺」、徳川家光が鷹狩りの途中で立ち寄った言い伝えが残る「和泉熊野神社」、徳川家や薩摩藩ゆかりの「大圓寺(大円寺)」など、歴史ある寺社が点在する。中でも「永福寺」や「永福稲荷神社」には、縁起の良い永福の名称にあやかりたいと、遠方からも来訪者があるという。「永福稲荷神社」に白い鳩がいたことにちなみ、いつの間にか地元住民の間では「今日は白い鳩を見たから良い日だ」と言われるようになった。
永福町駅北側を中心に本格的な中華料理店や行列ができるラーメン店があり、個性豊かなメニューを味わえる。駅近くの「千客万来白馬」は、中国で人気のレバーラーメンを日本で初めて紹介した店。方南通り沿いには、鰹だしをコンセプトにした「Bonite Soup Noodle RAIK」や、味噌ラーメンが定番の「サッポロ狸小路ラーメン」などがある。
南北二つの商店街が中心となってイベントを開催し、街を盛り上げている。例年2月3日は駅南側の永福稲荷神社を会場に「永福町節分祭」が行われる。プロスポーツ選手が招かれたり、地元の小学生らが豆まきに参加したりとにぎわう風物詩だ。9月下旬には、駅北口から続く永福北ろ~どで「郡上おどりin永福北」が開かれ、9回目となった2019(令和元)年は130人を超える踊り手が参加した。
その他、商店街主催のイベントとして、8月下旬の「永福町夜まつり」や10月の「永福町オータムフェスティバル」などがある。
駅の南北に延びる二つの商店街は、総菜屋、薬局、クリーニング店、洋品店、靴屋、茶やコーヒーの専門店などバラエティーに富んでいる。ラーメン・中華料理の他、和食、洋食、カフェなど本格派の飲食店があり、外食やテイクアウトも楽しめる。
永福稲荷神社がある南側の商店街。「ようこそ、縁起のいい街・永福町へ」をキャッチコピーに、街を元気にする催しに力を入れている。本格生パスタも好評のパン屋「ブーランジェリー ルフレ」などが店を構える。
方南通りに向かって約1㎞続く商店街。2014(平成26)年に電柱・電線の地中化と路面のカラー舗装が完了したメイン通りは「永福北ろ~ど」の愛称で親しまれている。「まちの洋食屋さん グリルマリノ」をはじめ、和洋中の飲食店や日用品店、食品店など約170 店舗が加盟。商店街の中ほどにはコミュニティースペース「永福北ろ~ど街の駅」があり、買い物途中に休憩できる。
永福町駅の改札前にある「冬の像」は、永福町にアトリエを構えていた彫刻家・佐藤忠良さん(1912‐2011)の作品だ。解説板によると、かつて永福町は芸術家のアトリエがある地として知られ、多くの文化人が住んでいたという。洋画家の中川一政さん(1893‐1991)や歌人・劇作家の寺山修司さん(1935‐1983)、女優の森光子さん(1920‐2012)らが、この街で暮らした。