高円寺駅の南口からほど近く、急な坂を少し下ると大きな鳥居が現われる。
当社は、江戸時代以前は200m先にある曹洞宗高円寺の別当寺(※1)であったが、明治維新後の神仏分離令により分かれた。
1916(大正5)年に改築された社殿は1945(昭和20)年の東京大空襲の時に焼失し、1947(昭和22)年に仮殿を造営。現在の鉄骨造りの社殿は1971(昭和46)年に新造された。
高円寺氷川神社(こうえんじひかわじんじゃ)といえば、境内に日本唯一の気象神社があることで知られる。気象神社はもともと旧陸軍気象部(現在の馬橋公園)に祀(まつ)られていたが、戦後、氷川神社に遷座(※2)した。八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)を気象の神様として祀っていることから、参拝者が結婚式や旅行の晴天を祈ったり、野外イベントを行う企業がイベントの成功を祈願しに訪れたりする。気象神社のお守りは、雨に濡れても大丈夫なようにビニール材に封入されている。また、天気占いにちなみ、絵馬が下駄の形をしているのも面白い。
氷川神社の神輿庫には一帯の町会の神輿が9つ並んでいるが、これは「東京高円寺阿波おどり」と同じ日に催される例大祭で担がれるものだ。また、高円寺はイベントの多い街だが、地元の町会や青年会などの依頼に応じて境内を貸しており、「高円寺演芸まつり」の会場の一つにもなっている。
※1 別当寺:神社を管理していた寺
※2 遷座(せんざ):神仏の座をほかの場所へ移すこと
御祭神
素盞嗚尊(すさのおのみこと)
主な行事 ※日付は毎年固定
1月1日 元旦祭
2月3日 節分祭
午日 初午際
6月1日 気象祭(気象神社)
30日 大祓祭
8月下旬 例大祭(「東京高円寺阿波おどり」と同じ日)
11月15日 七五三
12月30日 大祓祭
31日 大晦まつり