豊かな緑と充実した遊び場が自慢の静かな住宅街
富士見ヶ丘と久我山の間の高台にはうっそうと樹木が生い茂り、渋谷から20分ほどのエリアとは思えないほどの深い緑の光景が、神田川沿いに広がる。遊歩道には季節によってさまざまな種類の花が咲き、散歩やランニングを楽しむ人が多い。また富士見ヶ丘駅の北側を5、6分歩くと、住宅地の中に生産緑地が広がり、実際に農作物を生産している畑のほか、竹林や保護樹林などののどかな風景が続く。
駅から南東へ徒歩約8分のところには「社会福祉法人浴風会」があり、東京ドームの約1.4倍の敷地に、本館、礼拝堂などの本部施設をはじめ、さまざまな高齢者施設と病院が点在している。中でも1926(大正15)年に建てられた本館は、2001(平成13)年に「東京都選定歴史的建造物」の指定を受けており、映画やドラマのロケ地としてもおなじみだ。大正ロマンを感じさせるモダンな建造物を味わいながら、池や花壇のある敷地内を散策することができる。
駅の南側には東京都立高井戸公園があり、2025年の全面開園に向けて現在も拡張工事が行われている。13.7ヘクタール(東京ドームの約3倍)に及ぶ都内随一の広さを誇り、防災設備を備えた多目的な公園になる予定という。グラウンド跡地の一部は、遊び場として開放されており、広々とした場所で思い思いに楽しめる。
「浴風会」に隣接する「区立昭栄公園」も、数本の大ケヤキがある憩いの場だ。ケヤキの広場、遊具のある草地広場、球戯場の3つからなる。家族そろって遊ぶのも楽しい。
8月から9月にかけて催される商店街の夏祭りや神社の例大祭が、この街の主なイベントだ。
富士見丘商店街通りで、基本的に8月の第1土曜・日曜に開催。ブラジルサンバカーニバル、吹奏楽のパレードなど、趣向を凝らしている。大道芸やゲーム、模擬店もあり、普段は静かな街も、この日ばかりは大勢の見物客でにぎわう。
メインストリートが富士見ヶ丘駅を中心に南北に広がっており、この通りが唯一の商店街となっている。
昭和20年代半ばに発足した、富士見ヶ丘でただ一つの商店街。戦前から営業している店も、わずかだがまだ残っており、近年オープンした個性的な飲食店などと共存している。商店街のイベントとして、夏祭り(七夕の踊り流し)や、12月の感謝セールがある。
2010(平成22)年の駅舎のバリアフリー化に際し、富士山をモチーフにしたデザインになった。また、京王井の頭線の駅で駅の南北を結ぶ地下通路があるのは、富士見ヶ丘駅だけである。