新宿からJR中央線快速で約８分、サブカルチャーの聖地として若者だけでなくファミリー層にも人気のある街、高円寺。駅周辺は、大小さまざまな商店街があり、常にたくさんの人たちでにぎわっているが、駅から少し離れると閑静な住宅街が広がり、緑も多い。商店街での古着屋巡りを楽しみながら、「高円寺氷川神社」に祀（まつ）られている日本唯一の天気の神様である「気象神社」や、徳川３代将軍家光と由縁が深く高円寺の地名の由来にもなった「宿鳳山高円寺（しゅくほうざんこうえんじ）」など、歴史のある寺社を訪ねてみるのもおすすめだ。

• 高円寺氷川神社：境内に日本で唯一の天気を司る気象神社がある

「サブカルの街」として知られる高円寺だが、一方では高円寺独特の大人の文化ともいえる「高円寺カルチャー」に街のあちらこちらで触れることができる。その象徴ともいえるのが、高円寺駅北口から線路沿いを環状七号線方面に向かって、徒歩およそ５分のところにある座・高円寺。ここでは、舞台芸術作品の上演はもちろんのこと、毎月第３土曜日に開催している「座の市」では、朝採れ野菜やパン、菓子などが並び幅広い世代が楽しめる地域の交流の場にもなっている。

2016（平成28）年には、高円寺をベースに活動するアーティストが制作した、宿泊可能なアートルームのある「BnA HOTEL Koenji」がオープンして話題を呼んだ。

さらに「高円寺カルチャー」を語る上で欠かせないのが駅の西側の高架下で、居酒屋や古本屋、しゃれた外装の設計事務所などが並ぶ。多目的フリースペースもあり、不定期だが毎月、落語会などの催しが行われている。2018（平成30）年９月には高架下の空き店舗を利用した「高円寺×阿佐ヶ谷映画祭」も開催された。

高円寺カルチャーが感じられる場所

• 座・高円寺：舞台芸術の創造と発信、地域に根ざした文化活動の拠点。伊東豊雄設計
• BnA HOTEL Koenji：アーティストが手掛けた部屋に泊まれる東京初のアートホテル
• 古書サンカクヤマ：雑貨やカルチャー系グッズがいっぱいの古書店
• 高円寺シアターバッカス：迫力のある音と映像を体感できるミニシアター

村上春樹の小説『１Ｑ８４』の舞台とされる公園「高円寺中央公園」を始め、高円寺には大小さまざまな公園があり、子供と一緒に遊べる場所も多い。駅南側を東西1,600メートルにわたって連なる公園「桃園川緑道」を散歩しながら、周辺にある「高円寺天祖神社」などの神社・仏閣や史跡を訪ねるのも良い。四季を感じながら子育てするには申し分のない場所だ。

• 高円寺天祖神社：創立は1087年、伊勢神宮から分霊を受けて安置したといわれている

親子向けおすすめスポット

• 区立馬橋公園：春はお花見、夏には池で水遊びができる
• アンリ・ファーブル：「座・高円寺」２階のカフェ兼レストラン。ベビーカー利用可
• ぽたかふぇ。：手ぶらで陶器の下絵付け（ポタリー）体験ができる
• Baby King Kitchen：大人も子供もお子様ランチが食べられる

高円寺グルメ

• 天すけ：行列の絶えない天ぷら屋
• 高円寺グレービービーフカレー：サイケ・デリーさんのパッケージが目印
• 大江カレー：鶏肉、魚介、野菜の３種のカレーを提供
• らぁめん 山と樹：イタリア料理修業時代に培ったテクニックが生きる
• 沖縄料理本店 きよ香：1961（昭和36）年開業、高円寺の沖縄料理のルーツ

老舗からニューフェイスまでスイーツいろいろ

• 淡水 新カステラ：フカフカふんわり、台湾生まれの新しいスイーツ
• すずくら：イチオシは食感を大切にしている餅菓子
• トリアノン洋菓子店：ノスタルジックなバタークリーム仕上げのケーキ
• パティスリー　ラブリコチエ：キラキラしたジュエリーのようなケーキ

高円寺では、一年中、街のあちこちでさまざまなイベントが開催され、祭りが盛り上がっている。なかでも特に注目度の高い祭りを「高円寺四大祭り」と呼んでいる。

• 東京高円寺阿波おどり：例年８月下旬開催、約１万人が踊る東京の夏を代表するイベント
• 高円寺びっくり大道芸：例年春に開催。「笑いと感動とサプライズ」ありの大道芸イベント
• 高円寺フェス：例年10月に開催。高円寺ならではのユニークな大文化祭イベント
• 高円寺演芸まつり：例年２月に開催。銭湯・居酒屋・神社などが寄席に変身する

駅を中心として南北に分かれる高円寺の商店街は10以上もある。北口にある「高円寺銀座商店会協同組合」は戦前から栄えており、「高円寺純情商店街」の愛称で親しまれている。古着屋・雑貨屋などが多く若者に人気があり、雨の日も心配なく買い物ができる「高円寺パル商店街振興組合」があるのは南口だ。

高円寺銀座商店会協同組合（高円寺純情商店街）

ねじめ正一さんの小説のタイトルをそのまま愛称にした、街のシンボル的な商店街。およそ250店が軒を連ねる。

• 『高円寺純情商店街』：高円寺生まれの詩人・小説家、ねじめ正一さんの小説。第101回直木賞受賞

高円寺北中通り商栄会（セントラルロード）

北口にある、高円寺中通商栄会（セントラルロード）の北に位置する商店街。４～12月の毎月第３日曜日に開催される「北中夜市！」はフリマや屋台も出店され、毎回、多くの人でにぎわう。

• コクテイル書房：文士料理（作家が作品に登場させた料理）が味わえる古書店

高円寺パル商店街振興組合

南口からすぐにアーケードがあり、雨に濡れずに買い物ができる商店街。「東京高円寺阿波おどり」発祥の商店街として知られ、阿波踊り用品を取り扱う店もある。

その他の商店街

• 東高円寺銀座商店会
• 東高円寺駅通り商店会（ニコニコロード）
• 馬橋商興会
• 新高円寺通商店街振興組合（高円寺ルック商店街）
• エトアール通り商店会
• 高円寺あづま通り商店会
• 高円寺庚申通り商店街振興組合
• 高円寺中通商栄会（セントラルロード）
• 大場通り商和会
• 高円寺南商店会
• 杉四通り商店会
• 高円寺駅西商店会（高円寺アイ）
• 高円寺ストリート２番街
• 高円寺南中央通り商店会

※杉並区内の商店街情報は杉並区商店会連合会サイトへ