40歳以上の参加者で構成するクラブチーム不惑倶楽部(ふわくくらぶ)は、第二次世界大戦後まもない1948(昭和23)年に誕生した。ラグビーへの情熱を持ち続けていたメンバー7人が発起人となり、各地のラグビー場で模範試合をすることからスタートしたという。
現在、クラブはNPO法人不惑倶楽部が新宿区を拠点に運営しているが、2000(平成12)年から2007(平成19)年までは杉並区に事務所があった。今も杉並区ラグビーフットボール協会に加入しており、約300人いる会員の中には杉並区在住者も多い。役員の菅野豊さんは、「杉並に三井グラウンド(※)があった頃は、よく試合や練習に利用していました。芝生がきれいで、都心からも近く、そこで練習するときは参加者が多かったことを覚えています」と振り返る。
不惑倶楽部には、現在40代から90代の部員がいる。年代ごとにユニフォームのパンツの色が違うのが特徴で、菅野さんは「創立時は白色だけでしたが、メンバーが50代になったときに紺色に変え、60代で赤色としていくうちに、今のような形になりました」と話す。この不惑倶楽部の年代による色分けが、今では世界のシニアラグビー共通のルールになっているそうだ。
中高年プレーヤーが安全にラグビーを楽しめるように、試合は年代別に行っており、競技のルールにも違いがある。50代までは、現役時代さながらのスピードやパワーあふれるプレーが繰り広げられるが、60歳以上はスクラムのときに押し合いをしない決まりだ。事務局長の岡嶋光明さんは、「80代の紫パンツ以上になると、タックル無しでホールド(抱える)だけというルールになります。それでも同じ紫同士では激しくタックルします」と、笑顔を⾒せる。