桜と玉川上水が駅名の由来の住宅地
桜上水
SAKURAJOSUI
京王線桜上水駅は、北側は杉並区、南側は世田谷区の区境にある。京王線で新宿まで約12分で行けるうえ、浜田山-下高井戸間を走る南北バス「すぎ丸」(さくら路線)のバス停も駅北側にあり、交通の利便性は高い。北側の杉並区のエリアには、大きな公園、運動場や遊歩道があり、地域全体に閑静な住宅地が広がる。また駅周辺や甲州街道沿いにはスーパーや商店、飲食店が並ぶ。
駅名は、北側を流れていた玉川上水の堤に桜並木があったことに由来するといわれる。現在、玉川上水は一部を除き暗渠(あんきょ)化して遊歩道や公園に変わったが、桜は今も楽しめる。
「区立塚山公園」を中心とした敷地一体に、旧石器時代から縄文時代中期にかけての集落跡である「下高井戸塚山遺跡」が広がる。200基程度の住居跡が埋蔵するといわれており、約3千年前からこの地に人々が暮らしていたことがわかる。また、神田川には「鎌倉橋」が架かり、鎌倉~室町時代に繁栄した鎌倉街道の面影を今に伝えている。橋の名前は、室町時代の武将・太田道灌(どうかん)が「下高井戸浜田山八幡神社」を建立した際に名付けたという説も伝わり、歴史のロマンを感じられる地でもある。
2017(平成29)年、旧東京電力総合グランド跡地に「区立下高井戸おおぞら公園」がオープン。防災設備を備えた広々とした公園で、親子連れの憩いの場となっている。また、運動場や野球場を持つ「下高井戸運動場」や「塚山公園運動場」があり、スポーツ施設の充実度は区内でもトップクラスといえよう。大正時代には、スケート場とプールが人気の「吉田園」というレジャー施設が存在した。
甲州街道を挟んで東西に続く「桜上水商店街」がメインストリート。甲州街道沿いには、1907(明治40)年創業の竹工芸の店「竹清堂」や、薪ストーブを販売する「東京ストーブ」といった珍しい専門店もある。
スーパーやコンビニ、飲食チェーン店などと一緒に、昔ながらの店も軒を連ねる。学生や通勤客、車の通りが多くにぎやか。
青果店や中華料理店など数軒の商店が並ぶ。
桜上水駅の東側にある踏切は「開かずの踏切」として知られ、ラッシュ時に数十分間閉まっていることがある。桜上水駅によると、徒歩の場合は駅の連絡通路を使って回避することが可能で、自転車も手で押しながらエレベーターに乗ることができる。なお、「開かずの踏切」対策として京王線笹塚-つつじヶ丘間の踏切撤去や複々線化、桜上水駅の高架駅舎化の計画が進んでいる。