スポーツと緑とアニメの街
上井草
KAMIIGUSA
西武新宿線上井草駅は、急行の停車する上石神井駅と鷺ノ宮駅に挟まれた比較的小規模な駅だ。しかし、各駅停車でも西武新宿駅まで二十数分というアクセスの良さがあり、1日の乗降客数は21,490人(2018年度)となっている※。周辺は、農地としての畑が点在し、のんびりとした雰囲気が漂う住宅街だ。駅の東側を通るバス通りを北に150mほど歩いて突き当たる千川通りは、練馬区との区境になっている。
踏切を挟んで駅の北口と南口があり、駅を中心に商店街が広がっている。早稲田大学ラグビー蹴球部の練習場である、上井草グラウンドを有するこの駅の近くには、区の総合スポーツ施設、上井草スポーツセンターもあり、ラケットやヨガマットなどを持ち歩く人の姿もよく見かける。また「ガンダム誕生の地」として、地域のお店を中心に街をあげてアニメを盛り上げており、駅では発車時に「機動戦士ガンダム」のテーマのメロディが流れ、駅南口ではガンダム・モニュメント「大地から」が出迎えてくれる。駅からどの方角にも少し歩けば緑豊かな住宅街に入る。南へ坂を下ると旧井草川を暗渠(あんきょ)化した井草川遊歩道があり、妙正寺公園へとつながっている。早稲田通りの南には、明治33(1900)年に創立された都内で最も古い農業高校、都立農芸高等学校がある。
上井草は、1193年に源頼朝が植えたといわれる「お手植えの松」のあった井草八幡宮、桶狭間(おけはざま)で織田信長と戦った今川義元ゆかりの観泉寺といった、歴史ある寺社の最寄り駅だ。どちらも駅からゆっくり歩いて10~20分はかかるので、歩きやすい靴で参拝したい。歩き疲れたらおしゃれなカフェや地元の人も通うレストラン、ショップで一休みもよいだろう。
毎年7月初めに早稲田大学のグラウンドで「北風祭」が催される。早稲田大学ラグビー蹴球部によるテストマッチのほか、地域の大人や子供たちも協力する屋台や催し物でにぎやかな1日となる。 8月には上井草商店街振興組合の主催する夏祭りが行われ、金魚すくいやヨーヨーつりなどのほか、盆踊りや小中高校生のパフォーマンスなどもある。
高いビルや大きな商業施設はないが、昔からの個人商店が集まっている。駅の近くにはスポーツ選手のお腹と財布にうれしい大盛りの食堂や居酒屋もあって、学生街の趣もある。
上井草駅の東西と、北は千川通りまで、南はバス通りを井草中学校南停留所付近まで広がる駅前商店街。
駅から南下するバス通りと早稲田通りの交差点を中心に、東西南北700mくらいにわたって昔ながらの生活必需品を扱う店や飲食店がある。コープみらい(旧コープとうきょう上井草店)、サイゼリヤなどがあるエリア。
駅の東南、早稲田通りと青梅街道が交わるあたり、桃井第四小学校を囲むエリアが新町商栄会。古くからのお店が多く、井草八幡宮の祭礼では氏子としてお神酒(みき)を奉納するなど存在感を放つ。
平成30(2018)年に生誕100年を祝ったいわさきちひろ美術館は、上井草駅が最寄り駅。