閑静な住宅地にたくさんの寺がある街
新高円寺
SHIN KOENJI
駅前を青梅街道が東西に走り、飲食店や商店が立ち並ぶ、東京メトロ丸ノ内線新高円寺駅。街道沿いのバス停から阿佐ケ谷駅―渋谷駅行きのバスも利用できて、交通の便が良く人通りも多い。
駅から東に徒歩約7分のところには、ホールや集会室などを備えた「社会教育センター」(建物名:セシオン杉並)がある。かつて荻窪にあった区立公民館が閉鎖された後、1989(平成元)年から社会教育の拠点としての役割を継承し、コンサート、演劇、書道展など、さまざまな文化活動が行われている。
また、駅から離れた閑静な住宅街に寺が20軒以上あるのも、このエリアの特徴だ。
駅の北東には、「西照寺」や「長善寺」などの寺が連なる寺町と呼ばれるエリアがある。多くの寺では、手入れの行き届いた境内で四季折々の景色を楽しめる。
「堀之内妙法寺」は、駅から南に徒歩約13分。緑に囲まれた境内には、ベストセラー作家・有吉佐和子の碑があり、文化財指定の建物も多い。毎月23日に、若手落語家や講談師による「堀之内寄席」を開催。大晦日には除夜の鐘をつける。
駅から南東へ徒歩約5分の所に、高円寺ルック商店街のロゴデザインやゲートデザインを手掛けた「阿佐ヶ谷美術専門学校」があり、時代の変化に合った美術を学べる。
高円寺南2丁目にある「カトリック高円寺教会」では、小・中・高校生を対象とした無料学習塾を開催し、地域の子供たちを温かく見守っている。また、毎月第1・3土曜日に「高円寺子ども食堂」の運営に協力しており、近くにある東京保育専門学校の学生もボランティアとして参加している。
妙法寺門前通り商店会は、堀之内妙法寺で模擬店やフリーマーケットでにぎわう「妙法寺夏のふれあい祭り」を例年行っている。また、11月3日開催の「千日紅(せんにちこう)市」では、かわいらしい稚児(ちご)の千日紅奉納行列を見物できる。
高円寺四大まつり(「高円寺びっくり大道芸」「東京高円寺阿波おどり」「高円寺フェス」「高円寺演芸まつり」)は、高円寺駅周辺のほか、新高円寺駅付近の商店街や施設も会場となり、イベントを盛り上げている。
北側は新高円寺駅を、南側は堀之内妙法寺を囲むように、大小7つの商店街があり、生活に必要なものがほとんどそろう。
また、東高円寺に向かう青梅街道沿いにも、こだわりの逸品を販売するベーカリーやスイーツの店がある。
駅北側、高円寺パル商店街振興組合に続く商店街。飲食店、雑貨屋、古着屋、肉屋、美容室、不動産屋などが軒を並べており、いつもにぎわっている。
「堀之内妙法寺」の門前にある商店街。スーパーマーケットや飲食店、和菓子屋などがあり、地元の人や妙法寺の参拝客が利用している
昭和のはじめに現在の新高円寺で生まれ育った原田弘さんによると、当時の青梅街道は今より道幅が狭く、道路に沿って商店街が続いていたという。また、セシオン杉並付近は「鉄管原」と呼ばれる原っぱで、子供たちの格好の遊び場だった。