杉並区立荻外荘公園(てきがいそうこうえん)は荻窪駅の南エリア、閑静な住宅街にある。
荻外荘は、昭和前期に内閣総理大臣を3度務めた近衞文麿(このえ ふみまろ)の旧宅で、築地本願寺などを手掛けた日本を代表する建築家・伊東忠太(いとう ちゅうた)の設計。2016(平成28)年には国の史跡に指定されている。長らく原則非公開だったが、地元住民の声を受けて杉並区が当時の姿に復原・整備し、2024(令和6)年12月に公園として開園した。
邸内では、モダンな内装や調度品を楽しめるほか、ARを使用した展示もあり「荻窪会談」の様子や昔の庭園の眺めを体感できる(観覧券:一般300円、小・中学生150円)。
▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 歴史>記録に残したい歴史>運命の宰相・近衞文麿と荻外荘
すぎなみ学倶楽部 歴史>戦争のつめ跡・戦争体験>荻外荘(近衞文麿旧宅)
すぎなみ学倶楽部 特集>荻窪三庭園>荻外荘公園開園式
PDF:すぎなみ学俱楽部 (仮称)杉並区立荻外荘公園(349.0 KB )
荻外荘の庭には、かつて屋敷林だった頃から残るケヤキ、マツ、シダレザクラなどの見応えある木々が多くあり、当時をしのばせる。庭のあちこちでは季節ごとにボタンやツツジなどの花々が色を添え、見る者を飽きさせない。カエデも植えられており秋には紅葉が見事だ。近衞の前に、大正天皇の侍医頭だった入澤達吉(いりさわ たつきち)がここを建てて住んだ当初は、楓(かえで)の字を入れた「楓荻荘(ふうてきそう)」と名付けられていた。
屋敷の南側には日当たりのよい芝生広場が広がる(※)。広場から荻外荘を見上げると、緑に囲まれた屋敷の外観や独特な窓の装飾などが間近に見え、記念撮影にもぴったりだ。近衞が住んだ当時は、広場にあった池と近くを流れる善福寺川越しに富士山も望めたという。
※芝生広場は2024(令和6)12月末頃から2025(令和7)年6月頃まで芝生養生中のため入れません
荻外荘内の喫茶室では、杉並の人気菓子店「菓人 結人」「三原堂」「プチグレース」などのスイーツを味わいながらひと休みできる。売店では、手ぬぐいやマスキングテープなど荻外荘のオリジナルグッズを販売しており、来館記念品としてだけでなく土産物としても好評だ。2025(令和7)年7月には敷地の東側に隈研吾氏が設計した展示棟がオープンし、新たなカフェスペースも併設される予定である。
荻外荘公園と近所にある杉並区立大田黒公園・杉並区立角川庭園を併せた荻窪三庭園は、杉並の新しい観光コース。JR荻窪駅西口発着のグリーンスローモビリティで三庭園を巡ることもできるので、ぜひ四季折々の庭園を楽しんでほしい。
▼関連情報
すぎなみ学倶楽部 食>スイーツ>菓人 結人
すぎなみ学倶楽部 食>スイーツ>三原堂
すぎなみ学倶楽部 食>スイーツ>プチグレース
すぎなみ学倶楽部 文化・雑学>杉並グッズ>荻外荘オリジナルグッズ
すぎなみ学倶楽部 特集>荻窪三庭園
すぎなみ学倶楽部 特集>荻窪三庭園>グリーンスローモビリティ